「DEAD MAN」キム・ヒエ“私から連想するイメージを壊したかった”

[ 2024年4月20日 18:00 ]

写真=Contents Wave(株)
女優キム・ヒエが、映画「DEAD MAN」を通じて変身を試みた。

最近、ソウル鐘路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで、映画「DEAD MAN」に出演したキム・ヒエとのインタビューが行われた。

映画「DEAD MAN」は、知名度でお金を稼ぐ、いわゆる“パジサジャン”(経営などには参加しないで名義だけを貸してお金をもらう人)界のエースが、1000億ウォン(約100億円)横領の濡れ衣を着せられ、“死んだ人”として生きることになった後、奪われた人生を取り戻すために真実を追い求めるストーリーだ。

「クイーンメーカー」「ユンヒへ」「夫婦の世界」など、多数の作品で幅広い演技を披露してきたベテラン女優のキム・ヒエは、今作で政界を牛耳る最高のコンサルタントのシム女史を演じ、存在感を見せた。

「DEAD MAN」はポン・ジュノ監督の演出作「グエムル-漢江の怪物-」の共同脚本を務めたハ・ジュンウォン監督のデビュー作で、公開前から期待を集めた。

――「DEAD MAN」で変身を予告しましたが、作品を観ていかがでしたか?

キム・ヒエ:自分が出演した作品は見られないタイプなんです。現場でモニタリングする時も、遠く離れたところから確認します(笑)。今回の作品もそうでした。作品を観る時、自分の演技ばかりが見えて気が楽ではないんです。特に残念なところが目につきます。

――「DEAD MAN」に出演したきっかけを教えてください。

キム・ヒエ:シナリオを手放せなくさせる力がありました。普通、このような叙事は何を狙っているのかが目に見えがちですが、「DEAD MAN」のシナリオはそうではありませんでした。ハ・ジュンウォン監督が5年も取材した結果だと聞きました。このような素材に興味をもって調査し、書いていったものだと考えると、その意味がさらに大きく感じられました。特に、シム女史が悪いキャラクターなのか、イ・マンジェ(チョ・ジヌン)をサポートするキャラクターなのか分かりませんでした。そのような点が面白かったです。

――ハ・ジュンウォン監督がキム・ヒエさんをキャスティングするためにシナリオを全面的に修正したと話していました。

キム・ヒエ:なぜそんな話をしたのか分かりません(笑)。そうしなくても十分良い作品なのに。それでも感謝しています。キム・ヒエという女優を必要としてくれるのはいつでも嬉しいことです。

――前作「クイーンメーカー」のキャラクターもコンサルタントでしたが、どのようにして差別化を図ったのでしょうか?

キム・ヒエ:職業的な共通点はありますが、キャラクターの状況、展開など、細かい内容は違いました。シム女史は政界を牛耳る強い権力を持つ人物です。演技をしながら代理満足しました。実際の姿と違うためです。荒々しい台詞を言う時はカタルシスが感じられました。「クイーンメーカー」「DEAD MAN」の両方を愛しています。女優に選べる作品は限定的ですが、一つの枠を破って魅力的なキャラクターを誕生させた作品だと思います。

――派手なヘアスタイル、ファッションなど、外見的にも変身を試みました。

キム・ヒエ:キム・ヒエを思い出した時に連想するイメージ、つまり偏見を壊したかったんです。キム・ヒエが演じるキャラクターではなく、キャラクターそのものとして見せたいと思いました。これからも女優生活をする上で繰り返される挑戦であり、課題だと思います。

――チョ・ジヌンさんとの共演はいかがでしたか?

キム・ヒエ:以前から好感をもっていた俳優です。世の中には人気の多い俳優、演技が上手な俳優がいますが、チョ・ジヌンはその両方にあてはまっています。実際会ってみると人間的な魅力もありました。

――ドラマ、映画、OTT(動画配信サービス)を行き来しながら熱心に仕事をされていますね。

キム・ヒエ:仕事ばかりしているというのは誤解です(笑)。昔は作品をやっている時、絶対人に会ってはならないと思っていたんです。そうしていると虚しさがやってきました。今はバランスを取っています。作品の準備と同じくらい、個人の人生を楽しむことも重要だということに気づきました。

――フィルモグラフィを見ると、主体性のあるキャラクターが多かったと思います。

キム・ヒエ:運が良かったんです。実を言うと、演技をしながら大変な時が多かったんです。しかし、運が良かったと思い、避けることはしませんでした。黙々と自分の役割を果たそうとしていました。そのような態度が、女優としてのキャリアが終わらないよう、サポートしてくれたと思います。年を取るようになって演じる役も変わってきます。過去に比べて良くなりましたが、相変わらず中年の女優が参加できる作品は限定的です。そのような面で「DEAD MAN」が愛されたら、シム女史のような魅力的な女性のキャラクターがもっと作られるのではないかと期待しています。

――キム・ヒエさんにも演技に対する悩みはあるのでしょうか?

キム・ヒエ:演技には正解がないので、いつも過程の中にいます。すべての俳優がそうであるように、キャラクターと作品のどちらに力を入れるべきか悩みます。私が出した結論は、作品です。作品が良ければ、どんな役でも挑戦する準備ができています。

――人間キム・ヒエが感じる日常における楽しさとは何ですか?

キム・ヒエ:運動と英語の勉強のルーティンを守っています。毎朝自転車に乗るようになってから10年経ちました。肉体的な健康と精神的な健康の両方を保てるようにしています。自転車に乗ると、宿題を終えたような気分になります。英語の勉強も同じです。流暢ではないですが、諦める前に、すでにルーティンになってしまいました。ハハ。勉強するということから感じる喜びは大きいです。もう昔のようではないから、覚えていた単語を忘れがちですが、一つでも記憶に残れば成功です。些細なルーティンを作れば、幸せ指数が高まるということを身をもって感じました。

――日常生活も優雅ですね(笑)。

キム・ヒエ:普段は優雅とは程遠いと思います。私は退屈で単調な人間です。ある日ふと、「何が本当の私の姿だろう?」と思いました。女優キム・ヒエと人間キム・ヒエの違いが大きいと感じたんです。私も普通の人間です。「どうすれば掃除をもっとキレイにできるだろうか?」というような平凡なことで悩みながら生きています。人々に見せるイメージを日常でも維持しようとすると、生きていけない気がします(笑)。

――最後に、今年の目標を聞かせてください。

キム・ヒエ:撮影した作品がすべて公開されたので、早く仕事がしたいです(笑)。素晴らしい演技は、クリシェから一番遠い演技だと思います。そのような演技を見せられるよう、より多くの選択と挑戦をしていきたいです。

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