中村七之助「伝統引き継ぐ」使命感　「二月大歌舞伎」第1部「三人吉三巴白浪」でお嬢吉三熱演

東京・歌舞伎座で上演中の「二月大歌舞伎」の第1部「三人吉三巴白浪」に出演中の中村七之助（C）松竹
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　歌舞伎俳優の中村七之助（39）が、東京・歌舞伎座で上演中の「二月大歌舞伎」の第1部「三人吉三巴白浪」で、お嬢吉三を熱演している。女形俳優の誰もが憧れる大役に「この素晴らしい役を後世に伝えていかなければ」と使命感をのぞかせた。

　「月も朧（おぼろ）に白魚の…」。おなじみの七五調の名せりふを朗々と紡いでいく。3人の盗賊の運命を描く歌舞伎屈指の名作で、七之助は2004年に初演。「父（故勘三郎さん）からこっぴどく怒られたのを覚えています」と苦笑い。そこから約20年。「常に人の芸を盗みたいと思い取り組んできた。中堅と呼ばれるようになり、今度は伝統を引き継いでいく使命も感じます」と役さながらの“盗賊”のように先輩たちの技術を盗んできたことを明かした。

　歌舞伎界では昨年、約9年ぶりに「市川團十郎」の大名跡が復活。大向こうも解禁されるなどコロナ下の制限も緩和されてきた。「歌舞伎界にとってはうれしいニュースが続いている。自分も一俳優として、にぎにぎしく歌舞伎界をもり立てたい」と責任感を強調した。（吉澤　塁）