来年大河「どうする家康」斬新なタイトルに込めた思い「ウケ狙いではない」古沢良太氏、妻は反対も…

[ 2022年7月1日 14:36 ]

来年の大河ドラマ「どうする家康」の取材会を行った(左から)山田裕貴、大森南朋、松本潤、松重豊(C)NHK
Photo By 提供写真

 来年2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)の出演者が1日、名古屋放送局で取材会を行った。制作統括の磯智明チーフ・プロデューサーが、斬新な番組タイトルについて誕生秘話を明かした。

 希代のストーリーテラー・古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。「リーガル・ハイ」「デート~恋とはどんなものかしら~」「コンフィデンスマンJP」などのヒット作を生んだ古沢氏は大河脚本に初挑戦。松本は大河初出演にして初主演となる。家康を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。

 制作統括の磯智明チーフ・プロデューサーは、タイトル「どうする家康」が生まれた経緯について言及。古沢良太氏との会話の中に「どうする家康」という言葉が頻繁に出てきたことから提案したという。

 「毎回毎回『どうする家康?』というピンチが訪れて、それを切り抜ける。時には切り抜けられなくて失敗もするけれども、何とかなる。そういう物語を書きたい」という古沢氏の思いをくんで提案したが、古沢氏は「それはちょっとふざけ過ぎじゃないですかね?いくらなんでも、大河ドラマにそれはないでしょう」といい、代替案を複数提示したという。しかし磯氏は、古沢氏が提案したタイトルは「どこかで聞いたことがあるような感じ」だったという。磯氏は「古沢さんがこれだけユニークに新しい視点で家康を書くなら、これくらいとがった、変わったタイトルがいいのではないか」と念を押し、古沢氏も納得したという。

 しかし古沢氏は「うちに帰って奥さんに相談したら、猛反対された」という。磯氏は「“あなたが書くんだったらもっとちゃんとしたタイトルの方がいいわよ”っていわれたらしいです」と笑いながら明かした。

 悩んだすえに「自分が書きたいものを考えて、どうする家康で勝負しよう」と決めたという。磯氏は「決してウケ狙いやふざけたわけではなく、古沢さんが思い描く、波乱万丈で今の人たちに共感してもらえる物語をつくろうとしたときに『どうする家康』という物語になり、それに一番ふさわしい言葉を探したとき、このようなタイトルになりました」と思いを込めた。

 社内の反応については「意外に良かった」という。「みんな歓迎してくれました。“今回の家康どうなるんだろうね”というワクワク感がある」と好評だったと主張。

 続けて「どうする?と突きつけられることは、我々が社会で生きていく上でよくあることだと思いますし、これまでの『麒麟がくる』『青天を衝け』というメッセージ性を込めたタイトルとか、名前のタイトルが鉄板だったので、ひとつ超えたいなと思っていた。そこにこの古沢さんが発したフレーズ。会議室でひねって考えてもなかなか出てこないこのフレーズに、われわれの思いが一致しました」とタイトルへの愛を口にしていた。

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月1日のニュース