小栗旬 毎撮影マスクにメッセージ、自宅近くに稽古場建築…「鎌倉殿の13人」撮影の裏側

[ 2022年5月3日 23:24 ]

小栗旬
Photo By スポニチ

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)の主演を務める俳優・小栗旬(39)に400日間に及ぶ取材を敢行した同局のドキュメンタリー「プロフェッショナル 仕事の流儀 小栗旬スペシャル」(総合、後7・30~8・42)が3日に放送され、大河主演に挑む“小栗義時”の撮影に臨むこだわりや裏側が映し出された。

 「撮られたくないものはない。聞かれたくない質問もない」。2020年12月にスタートした取材の初日、小栗はこう言い放った。その言葉通り、稽古場から移動の車中までカメラをすべて受け入れた。

 年下の和田侑平ディレクター(32)がカメラを回し「小栗旬という役者の髄」を探ろうと大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の撮影現場に異例の密着。カメラは小栗が大河ドラマ撮影のクランクイン前から回った。小栗は少しでも所作などが生きればと日本舞踊の稽古も取り入れ、殺陣の稽古も含めて行える稽古場を自宅近くに建てたという。

 コロナ禍のクランクインでは当然、本番以外はマスクやフェースシールドを着用。小栗は密着の中で「心配性です。物凄く」「人見知り」「小栗旬は芝居が下手」「いつになったら俺のメッキがはがされるのか」など意外な一面や弱音を包み隠さず打ち明けた。その「人見知り」ゆえの工夫として白い不織布マスクにいつからかカラフルなペンでその日の印象的な出来事を書き込むようになった。

 小栗演じる北条義時に大泉洋演じる源頼朝が後白河法皇(西田敏行)から助けを求める書面が届き読み上げるリハーサルの場面では、この日にパンの差し入れをしてくれた大泉に対して「大泉 パンありがとう」と書かれたマスクをして臨んだ小栗。リハ後に笑いながら「芝居にならん。そのマスク、芝居にならん。それ見ながら全く気持ちが入らん!お前のマスク、おもろすぎんねん」と大泉頼朝にツッコまれ撮影現場は爆笑。「よかったです」と笑顔を見せた小栗の座長としての心配りが垣間見えた。

 「人見知りっても分かってくんないじゃん。頑張ってしゃべるようにはなったんだけどね」と照れ隠しで語った小栗は大河の撮影を「異種格闘技戦」と言った。また「みんなで探り出す作業が俺は好き」とも語った小栗。和田義盛を演じる20年来の仲という横田栄司は「誰にも見せない努力をするんです。心のある俳優たちはみんな気づくんだよ。小栗ってこんだけ準備してきてるんだって。一緒にいると怠けらんないって思いと、ちゃんとやらなきゃな、また旬の前で恥かきたくねえなってみんなが思ってるんじゃないかな」と俳優・小栗旬の魅力をしみじみ語った。違う場面では仁田忠常演じるお笑いコンビのティモンディ・高岸宏行が「誰一人として、分け隔てなく愛情を注げる人」と評した。

 「下手」「一度もいい芝居なんかしてない、人生生きてきて」「メッキがいつはがされるか」など弱音を吐くのは本音の部分と「あまのじゃく」の一面もあるのか。撮影現場での気遣いや、共演者の証言から見えてきた「俳優・小栗旬」「人間・小栗旬」が探り出す大河ドラマ「鎌倉殿の13人」から、これからも目が離せないのは確かだ。

 今回、400日間に及ぶ取材の本当の最後に仕事に対する胸の内を語った小栗。自身にとっては2007年11月のTBS「情熱大陸」以来、約15年ぶりの長期密着番組となった。

 【鎌倉殿の13人】ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演。

続きを表示

この記事のフォト

2022年5月3日のニュース