豊島竜王、連覇に向けて好発進「新鮮な気持ちで指せました」 JT杯2回戦第1局で広瀬八段を破る

[ 2021年9月4日 18:07 ]

JT杯2回戦第1局で広瀬章人八段に勝利し準決勝進出を決めた前年覇者の豊島将之竜王
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 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の2回戦第1局が4日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、昨年のJT杯覇者・豊島将之竜王(31)=叡王との2冠=が108手で広瀬章人八段(34)に勝利した。10月16に予定されている準決勝では、渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=―木村一基九段(48)戦の勝者と戦う。

 前年覇者が連覇に向けて、今期初戦で好スタートを切った。互いのエース戦法である角換わり腰掛け銀の出だしから、じりじりと時間を削り合った。本格的に戦いが始まり、「△8六歩から△6五歩と突いたのがあまり良くなかった。パンチをもろに食らってしまうと一気に終わってしまうので、それを避けるように指していた」。終盤に切り札となる3八角を打ち込み、強い踏み込みで広瀬玉を寄せ切った。

 今夏は藤井聡太2冠と叡王戦、王位戦と2つのタイトル戦を戦い、7月6日のA級順位戦・広瀬戦以来8戦ぶりに藤井以外との対局となった。自身でも「藤井さん以外の人と指すのは久しぶりだなと思っていました。でも広瀬さんにも順位戦で痛い目にあったので、新鮮な気持ちで指せました」と笑顔を見せる場面も。早指しの棋戦とあり、「(日頃)持ち時間の長い将棋のことを中心に考えているので、指しこなすのが難しかった」と胸をなでおろした。

 本局の対戦カードは、第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグの開幕局(23日)でも激突が決まっている。「王将リーグは先後が決まっているので、ある程度戦型をしぼって準備していきたい」と意気込みを語った。


 〇…例年、全国各地で公開対局として開催されるJT杯だが、開催予定地の新型コロナウイルスの感染拡大の状況によって、都内スタジオでの無観客対局が行われている。今局は新潟市内での公開対局が予定されていたが、緊急事態宣言の発令を鑑み無観客対局に変更。豊島は「本当は現地の方に見て頂く中で将棋を指せれば一番。でも中継を通じて全国の方に見ていただいたので、いつもと変わらないモチベーションで何とか良い将棋を、という気持ちで指すことができた」と話した。

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2021年9月4日のニュース