ジャズ・ピアニストのチック・コリア氏が死去 79歳 フェイスブックに生前のメッセージ

[ 2021年2月12日 09:31 ]

昨年9月のチック・コリア氏(AP)

 米国のジャズ・ピアニストでキーボード奏者、作曲家でもあったチック・コリア氏が9日に死去。フェイスブックの公式ページで発表され、マネジメントを担当していたダン・ミューズ氏が確認したもので79歳だった。コリア氏はまれな種類のがんを患っていたことが最近になって判明。死亡を公表したフェイスブック内では「私とともに旅を経験し、音楽の炎をともし続けることに加わってくれたすべての人に感謝したい。演奏や作曲、アルバム制作をしたいという気持ちがある人は、ぜひそれを続けてほしい。それが私の願いだ。世界がアーティストを必要としているだけでなく、それ自体が本当に楽しいものなのだから」と、生前に残したメッセージも掲載された。

 コリア氏は1941年6月12日に米マサチューセッツ州チェルシーで生まれ、ジャズのトランペット奏者でもあった父親の影響もあって4歳からピアノを習い始めた。1964年にプロのミュージシャンに転身。1968年にハービー・ハンコック(80)に代わって、マイルス・デイヴィス(1991年に65歳で他界)のグループに加わり、「イン・ア・サイレント・ウェイ」や「ビッチェズ・ブリュー」といったアルバムに参加した。

 当時ほとんど使われていなかったエレクトリック・ピアノも弾くようになり、マイルス・デイヴィス・グループを脱退したあとにはベーシストのスタンリー・クラークらとジャズ・フュージョン系の「リターン・トゥ・フォーエヴァー」を結成。名盤「ライト・アズ・ア・フェザー」に収録された「スペイン」は、楽器やジャンルにとらわれずに多くの音楽家がカバーすることになる名曲となった。ハンコック氏やキース・ジャレット氏(75)と並んで20世紀を代表するジャズ・ピアニストの一人でグラミー賞は23回受賞。2008年には日本の上原ひろみ(41)とのデュオで日本の武道館で公演を行った。昨夏にもCD2枚組アルバムの「PLAYS」をリリース。オンライン・レッスンなどで後進の指導にも精力を傾けていた。

 パーカッション奏者で歌手としても1984年に「グラマラス・ライフ」をヒットさせたシーラ・E(63)は「彼は音楽を通して私の人生を変えてくれた人。何度もともに演奏しました。彼を“ファミリー”と呼べる私は幸せです」と追悼のツイートを投稿。コリア氏に対しては「みんな本当にさびしがるわよ。でもあなたの音楽と、あなたがもたらした光は永遠です」と語っていた。

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