嵐、ブレークの裏で葛藤の日々…知名度と自分の感覚にズレ生じ「怖かった。正直」

[ 2019年6月30日 21:45 ]

アイドルグループ「嵐」
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 人気アイドルグループ嵐が29日放送のNHK総合の音楽番組「SONGS」(後11・00)に出演。99年デビューから現在までの軌跡をたどりながら、メンバーそれぞれが知られざる苦悩を明かした。

 嵐は99年、ハワイで華々しくデビューを飾った。だが、思うように人気は伸びず、先の見えない日々が続いた。そんな嵐の知名度を飛躍的に上げたのが、05年に松本潤が出演したTBSドラマ「花より男子」。櫻井翔(37)はブレークの要因を迷いなく「花男っすね」と話すように、ドラマのヒットをキッカケに5人は国民的アイドルと称されるまでに駆け上がった。「当然、ドラマ、映画とかメンバーそれぞれの活躍によるところはめちゃくちゃ大きい。基本はそれです。だけど、僕たち5人が内側向いてちっちゃいことでちまちまちまちましたことやって5人がキラキラキラキラ笑ってるっていうのが僕らだったんですね。なんか“あいつら面白いよね”って言ってくれる人が徐々に増えてきたって感じられたのもその時期です」。

 06年にはアジアツアーを成功。07年に初めて東京ドームでのツアーを開催するなど、勢いはどんどん加速していった。

 だが、驚異的なスピードで人気が高まっていくつれ、相葉雅紀(36)は「怖かった。正直。なんか、嵐っていうものが自分の中で、体感としてめちゃくちゃ大きくて、めちゃくちゃ離れていくんですよ。それまでずっと嵐の中にいた体感なんですけど、その時はどんどん前に行ってしまって、これやばい、置いていかれるって思ったのを覚えている」と本音を明かし、「正直苦しい部分もあった。仕事してるときとかは充実しているんだけど、終わって家帰った時とかは感覚が全然違くて。不安」と人知れず抱えていた不安を初めて告白した。

 大野智(38)も「街中で自分の顔がいっぱいあったりすると、理解できなかったですね。隠れたりしました。リンクしないんですよね、自分と、周りの思いだったり、仕事だったりが追いつかない自分でした」と振り返る。松本は「これをやってやろうみたいな、遠い目標を立てずに動くということになっていくんですよね。ある意味そっから先がみんな見えづらくなっちゃったっていうことなのかもしれないですけどね」と人気の裏側で感じていたメンバーの思いをまとめた。

 そんな状況の中でも相葉は「もがいた。で、このままじゃまずいなと思って考え方が変わるようになって、これ自分を強く持って、そういう不安と闘っていくしかないんだなと思いましたね。それができなかったんですけどね…メンバーにも言ってないし…なんでこんな話しちゃったんだろうって今ちょっと後悔してます」と、今では笑って振り返る。「自分なりに表現すればいいかなと。ひとつひとつを。凄く大きくて遠い嵐が、そういう風に感じなくなって。めちゃくちゃ温かく感じる場所になった」。

 大きく変わる環境にそれぞれの思いを抱えながらも、09年に紅白初出場を果たした。本番ではこれまでのヒット曲をメドレーで披露。飛躍のきっかけになった「花男」の主題歌「Love so sweet」について松本は「凄く花より男子っていう作品には凄く感謝してます。初めてドームやるとか、アジアやるとか、国立やるっていうときに、ライブの中でもくさびになるというか、肝になるところに自然と配置されている曲なんですよね」と話し、大野も「いつ歌っても盛り上がる曲だなって思いますね。優しい楽曲…包み込むような印象ですね」とそれぞれ思いを語った。

 「花男」から急成長を遂げた嵐。そんな節目となる作品に出演した松本は「走り続けるって大変だけど、やり続けた先に何があるんだろうなっていうのを見てみたい感覚はありますね」とやり遂げる決意を口にした。長いトンネルを抜けて光をつかんだ5人が、感謝の思いを胸に最後まで駆け抜ける。

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2019年6月30日のニュース