始まりはコント55号…「めちゃイケ」終了で“土8”笑いの50年にピリオド

[ 2018年2月4日 13:20 ]

「ナインティナイン」の岡村隆史
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 土8が終わる。関西人にとっては、お昼の吉本新喜劇と同じく、土曜日の当たり前の風景がなくなってしまう感がある。3月末でのフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」終了をもって、断続的にではあるが50年間続いた“笑いの歴史”にピリオドが打たれるのはやはり寂しい。

 ヒモ解くと1968年のフジテレビ「コント55号の世界は笑う」が始まりだ。69年からはTBSでドリフターズの「8時だョ!全員集合」がスタート。作り込んだコントと歌謡ショーという新しいスタイルで一世を風靡(ふうび)した。

 空前の漫才ブームだった81年にはフジテレビの逆襲が始まる。人気絶頂だった若手のツービートや明石家さんま、島田紳助、西川のりおらを起用した「オレたちひょうきん族」が誕生。アドリブ重視のパロディースタイルは現在のバラエティーの礎を築いたといえる。

 過去の取材で聞いた話だが、コントでオバQを演じた西川のりおは追い込まれすぎて、燃やされかけたことがあったという。のりおが仏壇に隠れるコントで大量の線香に着火。たき火レベルのとんでもない量の煙と火でいぶされた。「あんなんバルサンでっせ。息もできへんし、ほんまにギリギリ。メチャクチャですわ」。そんなエピソードを語りながら、とことんまでやる「ひょうきん族」だからこそ人気番組に化けたと分析していた。

 ひょうきん族が一時代を作り、90年からは「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」が始まった。これも作り込まれたコントが印象的だった。終了後は3年間の空白を経て96年から「めちゃイケ」がスタートしている。

 50年の歴史で特筆すべきは「全員集合」が16年、「ひょうきん族」も8年で終了した中、「めちゃイケ」が21年間も続いたことだ。ナインティナインらメンバーのポテンシャルはもちろんのこと、岡村隆史の「オファーシリーズ」などドキュメンタリー企画もヒットした要因の一つに上げられる。多彩なネタでマンネリとの闘いを克服し、お笑いだけでなく、ガチンコの展開と感動という要素もあったからこそ、ここまで続けることができたのだろう。

 4月からは「世界!極タウンに住んでみる」がスタートする。これはこれで注目しているが、土曜日8時に、いつかお笑いが戻ってくることを期待してやまない。小学生の時にワクワクした、あの感じ。今の子どもたちが味わえないと何だかそれも寂しい。(記者コラム)

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2018年2月4日のニュース