ノムさん、愛する亡き妻を語る「幸せな人生だったのかな」

[ 2017年12月29日 22:57 ]

野村克也氏(左)と沙知代さん(2011年撮影)
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 ヤクルト、阪神、楽天などで監督を務めた野村克也氏(82)が29日、TBS系で生放送された「ニュースキャスター 超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版」(後9・00)にVTR出演。今月8日に虚血性心不全のため亡くなった妻でタレントの野村沙知代さん(享年85)を偲んだ。

 番組の独占インタビューに応じた野村氏は、たくさんの家族写真が棺の上に飾られた写真を公開。亡くなる当日まで元気だった沙知代夫人との突然の別れについて「息をひきとった時に思ったのは幸せな人生だったのかなっていう思いが一番先にきた」と振り返った。

 「良妻というより恐妻や悪妻というイメージがつきまとった沙知代さんだが、なぜか離婚の危機が報じられたことはほとんどない」というナレーションに続いて流された一般人の街頭インタビューでは「最後まで連れ添ったっていうことは、それぐらい惚れちゃってたんですかね。なんで離婚しなかったのか、それが知りたい」という男性からのコメントも。

 なぜ離婚しなかったのか?ということについては番組MCの安住紳一郎アナウンサー(44)が8年前に行った夫妻へのインタビューで「どうして奥さんと別れないんですか?」と質問をぶつけており、野村氏が「結局、私が忍耐したからだと思いますけど」と答え、「よくいうわよ」(沙知代さん)「そこまで忍耐する良さが沙知代さんにあるってことなんですよね」(安住アナ)「きれいだったでしょ、やっぱり」(沙知代さん)「やっぱりきれいだったですか?」(安住アナ)「きれいだった」(野村氏)「それは嘘じゃなく」(安住アナ)「うん」(野村氏)「あなたもしつこいね」(沙知代さん)という、笑顔で会話する様子が流された。

 「特に脚がきれいだった。シューっと脚が細い」と野村氏。沙知代さんが「とにかく男としては変。稼ぐだけが特技であとはゼロ」と毒舌を浴びせると、安住アナが「ダメですよ。男の人はみんなそういうこと言われると傷つきます」とダメ出し。「なんで?傷ついた?本当だもんね」と続ける沙知代さんに野村氏が苦笑いを見せるシーンもあった。

 別居中の妻がいる中で沙知代さんと出会い、交際が始まった。「奥さんに浮気されちゃって。それで頭に来て”出てけ!”ってなったんですよ。知らぬは亭主ばかり。お手伝いさんが2人いたんですけど、後で聞いたら彼女らは知っていたんですよ。私が遠征に行くと、30分ぐらいすると必ず来てたらしいんですよ、男が。沙知代さんと知り合ったから前の奥さんを捨てたという風に言われているけど、全然逆なんですよ」と野村氏。交際から3年、前夫人との離婚が成立しない中、三男の克則氏(44=ヤクルトコーチ)が誕生した。その後、当時南海で選手兼任監督を務めていた野村氏について「愛人が打順にまで口を出している」「愛人が選手にプレーを指導」など事実無根の噂が流れ、バッシングはエスカレート。球団内部からも強い批判が噴出した。

 このままでは野球ができなくなると考えた野村氏だったが、相談した住職に「野球を取るか、女を取るか」と迫られ、「僕は女を取ります。仕事はいくらでもあるけど沙知代は世界に1人しかいない」と即答。結局、リーグ2位の好成績ながら監督を解任され、その後も浅香光代(89)との「サッチー・ミッチー騒動」や夫人の脱税問題など「3つの危機」があったが、固い絆で乗り越えた。

 「僕よりも豪快ですから。野球できなくなるかもしれないって話から”何とかなるわよ”って。本当に何とかなりましたけど、結果的には」と野村氏。「スケジュールからお金の管理からすべて任せていた」という夫人の脱税問題については「すべては僕のためにお金を残そうと思ったんだろうと思います」と振り返り、「ごめんね!で終わり」。それが妻から初めて聞いた「ごめんね」だったという。

 「何とかなるわよ、が口癖。本当に何とかなった。何が起ころうと、という度胸はすごい」と野村氏。「男の弱さは痛感してますよ、いま。家に帰っても家にいても女房がいるといないとでは。いるっていうだけで落ち着くもんで。叫んでも何してもいないんですから。男ってのは弱いなって思います」。数々のトラブルに見舞われた沙知代さんとの結婚生活。だが、野村氏は離婚しようと思ったことはないのかという質問に「1度もないです」と言い切り、「そりゃ、わがままでキツい女ですけど、僕が弱いですから。だから非常に頼りになる女房でした。強い。動じない。そういう女性ですよ。一生懸命僕に尽くしてくれました」と亡き妻を偲んだ。

 VTRが終わると、MCのビートたけし(70)は「野村さんはやっぱりプロ野球のキャッチャーなんだよね。わがままなピッチャーの球を受けて、指示しても相手が首を振ったら”そうだね”って。人生そのものなんだよ。野球もピッチャーのいう通り。どんな球でも飛びついて押さえる。荒れ球でも」と感心したように話した。

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2017年12月29日のニュース