TBS特番「戦力外通告」 24歳の若手、ドラ1左腕、松坂世代No.1捕手に密着

[ 2017年12月29日 12:30 ]

「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」に出演する(左から)高橋洸、実松一成、片山博視(C)TBS
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 二刀流で日本プロ野球界を席巻した大谷翔平(23)が、大リーグ挑戦の夢を実現させた2017年オフシーズン。一方でスポットライトをほとんど浴びることなく、戦力外通告を受け、プロ野球の世界を去らなければならない男たちもいる。年末恒例のTBS特番「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達」(30日放送、後10・00)では、戦力外通告を受けても夢を諦めきれない“崖っぷち”の選手たちに密着する。

 ◆24歳の若さで戦力外 生後8か月の息子のために

 高橋洸(24)は今年10月27日に24歳の若さで巨人から戦力外通告を受けた。日本文理では3年時に春夏・甲子園出場し50メートル5秒台の俊足を武器に活躍。ドラフト5位で巨人に入団した。将来の1番バッター候補として期待されるも、3年目に育成選手に。左膝の前十字靭帯損傷という大ケガも経験した。

 男には守るべき家族がいる。昨年3月に結婚した志桜里夫人。そして生後わずか8か月の長男・浬(かいり)くん。高橋は自分の夢のため、家族のため、現役続行の道を掴み取るためにトライアウトへの参加を決断する。妻と息子とともに会場の広島県マツダスタジアムへ。夫の現役続行への挑戦を見守った妻は思わず涙を流す。

 ◆ドラフト1位 勝利の方程式だった中継ぎ投手

 2005年のドラフトで2球団から1位指名された片山博視(30)の姿もトライアウト会場にあった。かつて楽天の勝利の方程式の1人として、2年連続50試合以上に登板し、年俸4000万円に達していた中継ぎ投手は今年10月1日に戦力外通告を受けた。

 14年に左肘を故障。その翌年にも同じく左肘を痛め、育成選手に。昨年には5年連れ添った妻と離婚した。まさに崖っぷちだった今年、左肘を手術し、順調にリハビリをこなしていた最中の戦力外通告だった。およそ9カ月ぶりの実戦マウンドで懸命に腕を振る片山。今の自分のすべてをトライアウトにぶつけた。

 ◆36歳・松坂世代No.1捕手に厳しい現実

 プロ野球界で一時代を築いた“松坂世代”のNo.1捕手も今年、戦力外通告を受けていた。巨人の貴重な控え捕手として活躍した実松一成(36)だ。10月初めの戦力外通告に自分の名前がなかった実松は、来季に向けて休養に入っていた。ところが、巨人は10月26日のドラフト会議で捕手を4人も指名。その4日後に実松は戦力外を通告された。

 安どしていた矢先の戦力外通告。育ち盛りの3人の子どもを持つ実松に唐突に突きつけられた厳しい現実。野球が大好きな12歳の長男はその意味を十分に理解していた。父が11年プレーした巨人の大ファンだった長男は「お父さんがいったチームを応援したい」と実松のプロ野球復帰を信じて疑わなかった。

 3人のもとに吉報をもたらすオファーの電話は届くのか―。今年で14回目となる「プロ野球戦力外通告」。今年も人生の岐路に立たされた男たちが自分の進むべき道を選ぶ。

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