「所さんの目がテン!」で世界初!ジンベエザメの深海での捕食シーン撮影に成功

[ 2017年9月30日 12:00 ]

「バイオロギング」という研究で小型カメラを取り付けたジンベエザメのユウユウ(C)日本テレビ
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 日本テレビの科学バラエティー「所さんの目がテン!」(日曜前7・00)が、世界で初めて世界最大の魚類「ジンベエザメ」の深海での捕食シーン撮影に成功したことが30日、分かった。10月1日、8日の前後編特集で、捕食映像は8日に公開する。

 大きさは12メートル以上にもなるジンベエザメだが、その生態はいまだに謎だらけ。なぜ大きいのか、自然界でどのようなものを食べているのか、ほとんど解明されていない。いおワールド・かごしま水族館(鹿児島市)では、2年前に志布志湾で発見したジンベエザメ「ユウユウ」を保護していたが、水族館で飼育できる限界の大きさに達したため、海に放流されることになった。そこで、かごしま水族館と長崎大学の河辺玲教授らによる合同プロジェクトが発足。放流される「ユウユウ」にカメラを装着し、動物に小型カメラや行動記録計を取り付けて生態を探る「バイオロギング」という研究を実施した。

 取り付けた装置は4日後、タイマーで自動的に切り離されて海面に浮上してくる仕組みで、回収したカメラの映像を確認すると、「ユウユウ」が深海に潜ってプランクトンを捕食しているシーンを捉えていた。ジンベエザメの口の中には、鰓耙(サイ)と呼ばれる細かいスポンジ状のフィルターがある。そして鰓耙でエサだけを濾(こ)して、残りの海水はエラを開いて放出している。つまり、エラが開いているのは捕食している証で、映像では「ユウユウ」のエラが開いていることが確認できた。河辺教授によれば、この撮影は「世界初」だという。

 今回の調査では「ユウユウ」に装着した行動記録計のデータには、ジンベエザメがなぜ巨大なのかを解き明かす鍵が隠されていた。4日間の追跡で「ユウユウ」がどのぐらい潜行をしていたのか確認すると、深さ50メートル以上に潜ったのが73回、そして深海とされる深さ200メートル以上が11回だった。一般的に魚は周囲の環境によって体温が変化する変温動物。海は深くなればなるほど、海水温は冷たくなる。これだけ潜行を繰り返していれば「ユウユウ」の体温も変化するはずだが、海水温は表層付近で約27度、最深部329メートルでは10度と、その差は17度もあったが、ユウユウの体温は28・5度とほぼ変化なし。体が大きければ大きいほど、体温は下がりにくく、河辺教授は“ジンベエザメは深く冷たい海に広がるプランクトンを捕食するために、大きな体をしているのではないか”と推測した。この事実は“ジンベエザメがなぜ巨大なのか”を解き明かすための重要なデータのひとつになるという。

 「バイオロギング」に密着し、番組スタッフが撮影した「世界初」の貴重映像が注目を集めそうだ。

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