なかにし礼氏、突然死の恐怖消えた!体内にICD埋め込み

[ 2016年6月9日 09:21 ]

なかにし礼氏

 作家で作詞家のなかにし礼氏(77)が4月に突然死を回避するための手術を受けていたことが8日、分かった。致死性不整脈を感知し治療する植え込み型除細動器(ICD)などを体内に埋め込んだ。不整脈は心臓突然死の最大の原因とされるだけに「突然死の恐怖が消えた。大変なストレスからの解放」と語り、今後の創作活動にも意欲を見せている。

 手術を受けたのは4月下旬。ICDと、心拍が遅くなる徐脈性不整脈を治療する心臓ペースメーカーを体内に埋め込んだ。

 なかにし氏は1992年に心室細動を原因とする心筋梗塞で緊急入院した経験があり、元々心臓の能力が健常者の約半分しかない。心室細動が再発する不安がつきまとっていたといい「薬でうまく抑えていたけど、怪しい時もあった。胸が苦しいなど、異変が来たなと思ったら静かに嵐が過ぎ去るのを待つ。でも、それで終わらなかったらヤバイ」と振り返った。

 心室細動は心室の筋肉が不規則にけいれんし、血液を送る心臓のポンプ機能が停止。3~5秒で目まい、5~15秒で失神、3~5分で脳死状態に陥る。突然死の恐怖と常に隣り合わせの状態だった。

 さらに、がん治療が不安を増幅させた。12年に食道がんが見つかり、陽子線治療で消したものの、昨年2月、食道横にあるリンパ節に再発し切除手術を受けた。がんは昨年秋に完全に消え、現在もその状態を保っているが「がん治療は心臓への負担も大きかった。抗がん剤などの影響で身体的な疲れもあった」。そこで心臓血管研究所の医師に相談し「用心のためにICDを入れる」ことを決めた。

 手術は1~2時間で終わり、現在の体調は「すこぶる元気」という。脈拍データは機器を通じて毎日、心臓血管研究所に届けられており「もはや人造人間」と笑う。

 それでも長年悩まされてきた突然死の恐怖が消え、「大変なストレスからの解放」を感じている。創作活動への意欲も全く衰えていない。7月には作詞を手掛けた小林幸子(62)の新曲「百花繚乱(りょうらん) あっぱれジパング」を、9月には自身の作詞曲を女優たちが歌うアルバム「なかにし礼と12人の女優たちプラスワン」をリリースする。「連載中の小説もある。まだまだ書きたいものも、書かなければいけないものもある」。今後も精力的な活動を続けていく。

続きを表示

2016年6月9日のニュース