球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

空振りに終わったローズ氏復権請願

[ 2015年7月19日 05:30 ]

 通算安打記録保持者ながら野球賭博で永久追放のピート・ローズ氏(74)の望みは「殿堂入り」だ。その扉を開く第一歩と期待したオールスター戦試合前のセレモニー参加だったが、空振りの気配が濃厚だ。ローズ氏の復権嘆願を「検討する」と約束し“球宴参加”を認めたロブ・マンフレッド・コミッショナーが腰を引き始めた。ローズ氏は取材に応じず「試合前にコミッショナーと会い、サンキューとお礼した」とだけ言った。ツーショットは実現せず、コミッショナーは「調べる証拠が膨大で時間がかかる」と言い始めた。

 永久追放者は「全球団、両リーグからいかなる援助も受けられない」のが規則。セリグ前コミッショナーはローズ氏の公式行事出席を3度認め、野球メディアから規則破りと批判されたが、ローズ氏とは同席せず「復権請願」は玄関払いした。マンフレッド・コミッショナーは前任者が低くした規則をさらに下げたとの声が上がる。そこで、2月に行っていた「オーナーたちと野球に賭けることの是非を検討」発言を訂正し、ギャンブル要素が伴うネットのファンタジー野球を選手、球団職員がすることを禁じた。路線変更である。

 ローズ氏の印象もよくない。10年前からギャンブルの街ラスベガスに住みサイン販売で月30万ドル(約3720万円)の収入があるとスポーツ・イラストレーテッド誌に語った。「ヒット・キングは殿堂に入るべき」「死後の殿堂入りでは孫たちはお祝いのしようがない」など、あけすけ過ぎた。

 殿堂入り資格選手認定規則は「永久追放者は名簿から除外」とある。ローズ氏が追放になった時に野球記者も関わって加えられた条文だ。安打王は漂うばかり。 (野次馬)

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