球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

新たな収入源に新コミッショナー「禁断の扉」開くか

[ 2015年2月15日 05:30 ]

 マンフレッド新コミッショナーは、論争になることにもためらわず発言する。「ギャンブルへの社会の考え方が変わってきた。私もオーナーたちとこの課題について話しておくことが重要と考える」とスポーツ専門局のインタビューで語った。

 スポーツへの賭けが公的に認められているのは、ラスベガスのあるネバダ州だけ。昨年秋、NBA(プロバスケットボール)コミッショナーが「プロスポーツをギャンブルの対象にできるよう、連邦政府が法律を作るべき」とニューヨーク・タイムズ紙に投稿した。以後、スポーツ界で論議が続いていた。インターネットによって「胴元」が米国外に拠点を置き国内のファンに賭けをさせる。国内でも地下に潜ったスポーツ・ギャンブルは大繁盛だ。この現状にNBAは、厳格な法の下にギャンブルを「日陰の存在から日の当たる場所へ」というのである。

 しかし、MLB(大リーグ)は1919年のワールドシリーズでホワイトソックスがギャンブラーの誘いで故意に負けた「ブラックソックス・スキャンダル」以来、賭けは「絶対ノー」。1992年の「プロ・アマ・スポーツ保護法」でもスポーツへの賭けを禁じる。ギャンブル公認は簡単にいきそうもないが、財政難の国や州には解禁で得られる巨額の税収は魅力だ。ギャンブルをシャットアウトしてきたMLBトップの微妙な姿勢の変化に連邦議会、州議会がざわつき始めたそうだ。

 昨年ネバダ州で合法的に野球に賭けられた金額は約7億2500万ドル(約863億円)、非合法な賭け金はこの数十倍との説もある。MLBの新たな収入源にと、新コミッショナーは「禁断の扉」を開くのだろうか。

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