球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

過熱「キューバ亡命選手ブーム」の終わりは近い?

[ 2014年8月31日 05:30 ]

 キューバ選手ブームの先頭を走るのがレッドソックスだ。23日に亡命選手ルスネイ・カスティーヨ外野手(27)と契約した。7年総額73億円(1ドル=100円換算)は亡命選手史上の最高金額だった。昨季ワールドシリーズを制したレ軍だが、今季は最下位、早々とチーム改造である。

 レ軍は7月末、アスレチックスが12年に4年36億円で契約した亡命選手のセスペデス外野手をトレードで獲得したこともあって、来季の復活をキューバ・コンビに託したともっぱらだ。

 亡命選手の人気は、入団即主力級の働きをする選手が続出したことによる。ドジャースのプイグ外野手=7年42億円、ホワイトソックスのアブレイユ一塁手=6年68億円の大型契約選手がすぐオールスター戦に登場した。これで人気が過熱し、プイグの契約からわずか2年で年俸10億円超のカスティーヨの登場。さすがに「この契約はリスクが大きすぎる」という声が出た。カスティーヨは、理由は不明だが(たぶん亡命の失敗で)、キューバ政府から出場停止処分を科され1年半近くプレーしていないのだ。レ軍も慎重で、メジャーデビューは来季にして、秋の教育リーグに参加させるか思案中らしい。

 もっとも、亡命選手ブームといっても獲得競争に参加するのはヤンキース、ドジャースなど資金豊富なチームばかり。ドラフトでもFAでも金満球団が大金を使いにくい制度の中、自由にお金が使えるのが亡命選手市場のためだ。「ブームは終わり」と言うスカウトもいる。「もうキューバに即戦力は残っていない」。日本球界のキューバ政府「公認選手」を見ると納得できる見方と思うが、どうだろう。 (野次馬)

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