球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

噂されるスト…救世主は大谷か

[ 2018年2月18日 05:30 ]

 全30球団のバッテリー組が14日(日本時間15日)にキャンプインした。ただし、正確にはもう一集団が加わっていた。昨年11月にFAになった166選手のうちいまだに所属球団が決まらないFAが90人以上。そんな“無職選手”たちのため大リーグ選手会(労組)がフロリダ州で開いた“就活キャンプ”だ。

 メディア閉め出しで始まった初日は、15人ほどの選手が集まった。「球団は経費節減競争に夢中で、勝つ努力を放棄した」と怒るトニー・クラーク選手会理事長だが、データ分析で若手重視のチームづくりの潮流に押されるばかり。何かしなければ労組の存在意義を問われかねない。そこで、“就活キャンプ”の提供となった。

 実は、選手会独自キャンプは2回目だ。95年、年俸上限制度を巡り前年の8月に始まった選手ストはワールドシリーズを流し、翌年4月まで232日間続いた。開幕は4月25日、球団施設を使えないため選手会は労組キャンプを設けた。もっとも、このキャンプに集まった選手はごく少数。選手たちは自分で調整した。今回の“就活キャンプ”も参加選手が少ない。自主トレをしているのだ。

 ダルビッシュがカブスと契約した後、「FA市場が動きだした」とスーパー代理人スコット・ボラス氏。「多くの球団から多くの引き合いが来た」。ボラス氏はダルビッシュと並ぶ大物投手アリエッタをはじめ複数のスターFAを抱える。交渉を引っ張り好条件を引きだすのが得意技で、顧客選手用の練習施設を持っているのがさすがだ。

 95年、ストに怒ったファンの野球離れを救ったのがドジャースに入団した野茂英雄さんだった。今、メディアと代理人の一部にストをほのめかす声がある。仮にそうなったら救世主はエンゼルスの大谷翔平になるのかも…。(野次馬)

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