球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

一発急増に伴う“時短改正”の波…しわ寄せは選手会に

[ 2017年7月16日 05:30 ]

 「私は、ファンが本塁打好きなのを承知している。今季本塁打が増えているが、ボールの品質は、これまでと同様だ…」。後半戦に向けたロブ・マンフレッド・コミッショナーの定例会見でのコメント。何が言いたいのか理解しにくい発言だが、一向に縮まらない試合時間に野球規則をさらに改正すると示唆している、と選手会は推量する。

 大リーグのシーズン本塁打記録はステロイド全盛時代の2000年の5693本。今季この記録を破るのは確実で、前半戦のペースが続くと6117本になるという。本塁打が増えれば、投手交代も増える。1試合平均登板投手数が4人以上となって3年目だ。15年以前には一度もなかったことが当たり前になった。打者は本塁打狙いで選球し、1打席平均4球を見逃すのは統計を取り始めた30年前から最多だそうだ。それやこれやで、今季9回試合平均時間は史上最長の3時間5分。打者たちは「バットを調べるらしい」。野手は「変形守備態勢をとる回数を決めるのでは」と言う。投手たちは「いよいよ投球間隔に制限時間を設けるルールの採用」とため息をつく。すべてコミッショナーがこれまでに発言した“提案”だ。

 新規採用の最有力が「投球間隔時間の決定」だ。ルール改正は1年間の準備期間の後、採否を決めることにしている。打席に入った打者は、必ず片足はバッターボックスに入れておくこと、敬遠は投球なしで歩かせる、などこうして決まった。すでにマイナーの一部では投球間隔時間を設けて試験的にプレーした例がある。「救援投手が苦労する。特にクローザーは大変だ」と選手会。野球時間は時計で計るのではなくアウトカウントで計るもの。妙なことにならなければいいのだが…。(野次馬)

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