広島・松山 観察眼と技術が生んだ決勝二塁打 「ちょんと当てればいいかな…と」 上本“お膳立て”同点打

[ 2024年4月5日 05:45 ]

セ・リーグ   広島6-3ヤクルト ( 2024年4月4日    マツダ )

<広・ヤ>8回、代打・松山は右中間に勝ち越し打を放つ(撮影・奥 調)
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 広島は4日のヤクルト戦(マツダ)を鮮やかな逆転で制し、3連勝で貯金1とした。1点を追う8回、上本崇司内野手(33)が右翼線へ同点打を運ぶと、代打・松山竜平外野手(38)が右中間へ2点二塁打を放つなど、一挙4点の猛攻だ。4番手・中崎翔太投手(31)が今季初星をマーク。ベテラン、中堅、若手がしっかりかみ合い、新井貴浩監督(47)もご満悦だった。

 外角低めスライダーを巧みに捉えた打球は、ダイビング捕球を試みた右翼手・丸山和の手前で落ちた。同点の8回2死一、三塁で代打・松山が放った値千金の2点決勝二塁打。矢野と上がったお立ち台では、久々に決めゼリフが飛び出した。

 「鹿児島のばあちゃん、天国のじいちゃん、今日もやったよ!」

 昨季は驚異の代打打率・380を誇り、今季も切り札を担う38歳。決勝打は観察眼と技術の産物だった。同点に追いつかれたピンチで、相手ベンチは変則左腕・嘉弥真にスイッチ。外野守備陣はほぼ定位置で守っていた。

 「(嘉弥真の)軌道が焼き付いていたので、何とかなるだろう…と。外野も前じゃないし、ちょんと当てればいいかな…と」

 決勝打をお膳立てした上本の勝負強さも特筆ものだ。5番・三塁で先発し、1点を追う8回2死一、二塁で回った第4打席。代打を立てず、そのまま送り出した指揮官の期待に応えようと燃えた。

 「監督を見たら意味のある送り出し方をしてくれたので、これは死んでも打たないといけないと思った」

 2番手・清水の外角低め直球に食らいついたライナーは、右翼線で弾んだ。貴重な同点タイムリー。ガッツポーズに喜びを込めた。

 さらに途中出場の矢野も右前適時打で続いて一挙4点。中盤までの劣勢をハネ返し、逆転で連勝を3に伸ばした新井監督は「あそこは(上本)崇司でいくと決めていた。次の松山に左が来るのも想定内。崇司も、まっちゃん(松山)も、よく打ってくれた。ベテランと中堅、若手がかみ合ったナイスゲーム」とナインを称えた。 (江尾 卓也)

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