鳥越裕介氏 指揮官に我慢させる選手の出現が優勝へのカギを握っている

[ 2024年2月13日 06:00 ]

ソフトバンク宮崎キャンプの様子を見守る鳥越氏(撮影・岡田 丈靖)
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 【鳥越裕介のかぼす論】ソフトバンクの宮崎キャンプを取材してみて、感じたのは目立っている選手が少ないことだった。唯一、当てはまるのは山川。この時期、興味を引くのは新戦力やポジション争いだが、今回は新人選手もB組にいるというのもあるかもしれない。

 そのB組に本来ならばA組でしのぎを削っていてほしい三森、リチャードがいる。三森には期待している。だから彼を目で追っている。最初は元気なく見えたけど、そこは2年連続100試合以上出場した実績がある。他とは違うという部分は見せている。彼らなりには頑張っていると思う。ただ、求めているのは他とは「違う」ではなく、「圧倒的に違う」という姿だ。

 そんな彼らのいないA組に目をやってみる。ここでもチームの中でそこまでの火花が散っていない。そこが少し、気になる部分なのかなと思う。わくわくするような若手が、今のところはいない。

 投手を見れば、石川、東浜といった過去に経験がある選手はいるが、勝っているチームというのはオリックスのように宮城、山下が出てきて、東も出てくる。そういう選手が増えれば増えるほど、ペナントレースでぶっちぎってきた。ソフトバンクにも、そういう選手が出てきてほしい。昨年の開幕投手を任された大関、2年目の今季から先発に挑戦している大津、さらには新人投手がどれだけ入ってくるのか。そこは期待している。

 野手で気になるのはセンターラインが決まっていないことだった。早く形になったほうがいい。オープン戦の早い段階で一定の形を見せてほしい。そこが固まると、いいシーズンになるはずだ。小久保監督の手腕に期待し、見守ってみたい。

 新しい風というか、新しい人間。期待させる人がいると白星の上積みになる。常勝軍団といわれ、長い間、勝ってきた中で、レギュラーの選手が頑張って高い壁になってきた。難しいことかもしれないけど、そこは乗り越えていくしかない。

 小久保監督も当時、監督だった王会長に我慢してもらい立派な4番になった。指揮官に我慢させる選手の出現が、このチームの優勝の鍵を握っている。そういう気がしている。

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