0.2ミリの違いがわかる落合博満氏 素手でバットを握るのは「感触を肌で感じていたい」

[ 2024年1月12日 17:15 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が12日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。好評企画「オレ流質問箱」に寄せられた様々な質問に回答した。

 今回の質問は「現役時代の落合さんが素手でバットを握る映像が多くあるのですが、メリットは何ですか?また、夏場に素手で握っても滑らないようにするためにはどういう工夫が必要ですか?」だった。

 落合氏は「手袋する、しないっていうのはその人の感覚の問題なんだろうと思う」と回答。「今、素手で打つ人っていうのはほとんどいなくなってきている」とし「統計的に見ると、手袋をした方がしないよりも20%くらいの力が加わるっていうような説もある」と自身の知識も紹介した。

 選手それぞれの感覚次第のため「どっちというふうには言えないんだけど」と前置きしつつ、「オレの中で素手で打ったっていうのはバットの感触を肌で感じていたい。その日の状態によって握った感覚が〝あれ、いつもと違うな〟っていうようなことを自分の体に覚えさせていくっていうことで素手で打っていた」と手の感覚を研ぎ澄ませるためだったと明かした。

 問題は手に多く汗をかく夏場の滑り止め対策だ。「夏場になるとロジンをつけたり、土をバットにつけたりしてね、それで滑りを止めていた」と自身の経験を交えて説明。「あとは脂性の人とカサカサの人がいるんで、そんなに夏場がバット滑るっていうようなことはありませんでした。それは人それぞれの体質によって変わってくるんだろうと思います」と話した。

 落合氏は巨人時代の1995年オフ、バットを2本手にして「バット作りの名人」と呼ばれた久保田五十一氏のいる工場を訪れた。落合氏は「1本はグリップが細い」と訴えたが、久保田氏は「自分が削ったバットでそんなはずはない」と返答。しかし、実際に計測すると、本当に0・2ミリ細かったという有名な逸話がある。当時52歳だった久保田氏は、肉眼での衰えを認識し、後に老眼鏡を使うようになったという。0.2ミリの違いすらも見抜く落合氏は「素手で打ってたっていうのは、フィーリングを大事にしたっていうことなんだろうと思います」と話した。

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