江川卓氏 四面楚歌だった入団当時に西本聖氏から受けた恩「当時、ありがたいなと思ったよ」

[ 2024年1月3日 18:56 ]

江川卓氏
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 野球評論家の江川卓氏(68)が3日までに自身のYouTubeチャンネルを更新。入団当時の心温まるエピソードを披露した。

 ともに1980年代の巨人投手陣を支え、「宿命のライバル」として知られる西本聖氏をゲストに招いたトーク2回目。話題は江川氏が巨人へ入団した1979年当時にさかのぼっていた。

 前年11月のドラフトで阪神に1位指名を受けた江川氏は、希望する巨人への入団が叶わず態度を硬化。日本中を巻き込む騒動に発展し、当時のコミッショナーが乗り出す事態となり、最終的にはキャンプイン直前に当時巨人のエースだった小林繁さん(2010年死去)との交換トレードで入団が決まった。

 その経緯があるだけに、西本氏が「(一連の騒動は)ダメだな、と思いました。ハッキリ言って」と、かつての心境を明かすと、江川氏も「小林繁さんがいらっしゃったのに(自分のせいで)出たんだもんね」と心境を慮った。まだローテーション当落線上だった西本氏にとって、それを約束された江川氏の加入は死活問題。「(外れるのは)自分じゃないかな、という不安があるじゃないですか。来てほしくない気持ちは強かったですね」と本音を口にした。

 そして江川氏が「今日はホロっとくる話があるのよ」と語り始めたのが、初めて多摩川グラウンドの練習に参加した時のこと。誰もキャッチボールの相手をしてくれない中、手を挙げたのが西本氏だった。「(江川氏は)嫌われてるから」と笑顔でさらっと当時のチームに流れていた空気を表現した西本氏に、江川氏は真顔で「なんで、してくれたのか、今まで心境を聞いたことがなかったので」と理由を迫ると、「誰も(江川氏のことを)知らないじゃないですか。やっぱり自分しかいかないかな、と思って」と“男気”だったことを認めた。

 2人はその後、巨人投手陣の中心としてしのぎを削ったものの、西本氏は「キャッチボール、体操、ランニング…一緒だったからね」と良好な関係を明かす。江川氏は「当時、ありがたいなと思ったよ」と感謝していた。
 

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