無視→称賛→非難 野村克也さんの育成術 試合前に1時間半も怒られた元ヤクルト捕手が“感謝”

[ 2023年8月10日 16:28 ]

ヤクルトベンチで、捕手・野口(右)に身振り手振りで指導する野村監督
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 元ヤクルト、阪神などで捕手として活躍した野口寿浩氏(52)が、10日までに更新されたYouTube「プロ野球OBクラブチャンネル」にゲスト出演。阪神時代にノーヒットノーランを達成した井川慶氏と、思い出を振り返った。

 話題は両氏にとって「恩人」でもある野村克也さんになった。ヤクルト時代に8季、野村監督に師事した野口氏は「だいたい、怒られてました。褒められたことなんて1回しかないです。巨人戦でサヨナラヒットを打ったんですけど、それだけです」と笑いながら明かす一方、井川氏は「怒られなかった。怒られる選手は結構レベルが高い選手なので」と話し、阪神時代に師事した井川氏は「褒める」段階だったと振り返った。

 野村さんの指導の段階は球界でも有名。「無視、称賛、非難」の順に位が上がり、2軍で観察しているだけの「無視」の段階から、1軍で使われ出すと「称賛」されるようになり、認められれば「非難」という説教を浴びる。野口氏は「怒られることをしているからいけないのですが、“俺も怒られるようになったな”っと、思えるようにもなりましたね」と、説教を受けた裏側では、自身の成長を実感し、感謝したこともあったという。

 「でもね、怒られるのは嫌ですよね」。そんな野口氏が明かしたのは「古田さんが骨折された時に、1軍でずっと試合に出させて頂いていたんです」という際のこと。ヤクルトは神宮球場に隣接する室内練習場で試合前に調整を行うが、「打撃練習を終えたので、守備練習をしようかな、と思ったら監督に呼び止められて、そこから練習時間が終わっても、(監督の話は)終わりませんでしたね」と回想し「1時間半ぐらいじゃないですか。ずっと怒られてました」と苦笑いを浮かべた。同じ失敗をしないように、とにかく頭に叩き込むため、1時間半も、じっと神経を集中していたと話して、懐かしがっていた。

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