中村武志氏 伝統の一戦は両チームのカラーが色濃く出た試合 勝敗を分けたのは“救援陣の差”

[ 2023年8月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―5阪神 ( 2023年8月9日    東京D )

<巨・神>延長11回1死二、三塁、マウンドに向かう原監督(中央)=撮影・小海途 良幹
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 【中村武志 視点】野球は流れのスポーツだが、そこに信じられないミスが絡む「たられば」の試合だった。流れが阪神に傾いたのは巨人の5回の攻撃。ブリンソンは中堅への大飛球でフェンスを越えると思い込んで走らない。開幕当初から走塁ミスが目立つ助っ人らしいボーンヘッドで二塁まで走っていれば、中山の左前打で先制できたはずだった。

 一方の阪神は、1―0の7回2死から左中間の飛球を島田が落球。チェンジのはずが、今度は巨人に流れが傾いて代打・中田翔の一時逆転2ランである。そもそも表の攻撃で1死一、二塁から8番の木浪が併殺打でチェンジにならなければ、9番の桐敷に代打を送っていた。続投したリリーフ左腕は先頭の4番・岡本和を死に物狂いで抑えて2死までこぎ着けただけに、気持ちは切れただろう。しかも2イニング目で、右の中田翔。ここで代えてあげるべきだった。

 阪神は救援陣、巨人は代打陣。両チームのカラーが色濃く出たが、最終的には救援陣の差が勝敗を分けた。(スポニチ本紙評論家)

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