野村克也さんに褒められたのは「サヨナラヒット」の1度だけ 元ヤクルト捕手が振り返るID野球の裏側

[ 2023年8月10日 15:43 ]

ヤクルトベンチで、捕手・野口(右)に身振り手振りで指導する野村監督
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 元ヤクルト、阪神などで捕手として活躍した野口寿浩氏(52)が、10日までに更新されたYouTube「プロ野球OBクラブチャンネル」にゲスト出演。阪神時代にノーヒットノーランを達成した井川慶氏と、思い出を振り返った。

 話題は両氏にとって「恩人」でもある野村克也さんになった。ヤクルト時代に8季、野村監督に師事した野口氏は、その印象を「テレビで話されている、あのまんまの方です」と紹介し、井川氏も深くうなづく。代名詞でもあったID野球については、のちのちミーティング内容を読み返してみると「あれっ?当たり前のことだよね(と思う)。その当たり前のことをどれだけ考えてやれるか。そのための準備もするようになる。それが一番大事、それが野村野球」と説明し、捕手としての土台となったと振り返る。

 野手ミーティングは毎日行われたが、野村監督時代は意外にも、バッテリーミーティングは3連戦の初戦だけ。井川氏は、野村監督から「配球のことは一切考えるな。とにかく、捕手のミットに投げる事だけ考えて投げろ」と言われたという。その通りに投げた井川氏は、快投続きで、ぐんぐん頭角を現す。

 その話を聞いていた野口氏は「ただ、そういう時はキャッチャーがすごく大変なんです」とポツリ。若い投手と組む際は野村監督からは「お前が考えてやっていけ」と言われ「それが大変なんです」と再び苦笑いを浮かべた。

 よほどの投手のコントロールミス以外は「だいたい、怒られていました」と回想。「褒められたことなんて1回しかないです。巨人戦でサヨナラヒットを打ったんですけど、それだけです」と笑いながら明かし、懐かしがっていた。

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