西武・隅田がプロ初完投初完封 8・9地元長崎に届けた魂の132球 ファンの声援「力になりました」

[ 2023年8月10日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6―0日本ハム ( 2023年8月9日    エスコンF )

<日・西>プロ初完封勝利を挙げ古賀と抱き合って喜ぶ隅田(右)(撮影・高橋 茂夫)
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 長崎へ届け――。9回2死満塁。西武・隅田がプロ最多132球目で松本剛を三ゴロに斬ると、光る汗を拭った。プロ初完投、初完封で6勝目。「疲れましたね。でも9回に“頑張れ、頑張れ隅田”と言ってもらえて力になりました」とファンに頭を下げた。初回から3者連続三振。3回1死一、三塁では矢沢をチェンジアップで空振り三振に仕留めるなど11三振を奪った。カットボールはわずか1球。「直球が良かったので変化球も生きた」とフォーク、チェンジアップの2種類の落ちる球を生かして0を並べ続けた。

 長崎出身の左腕にとって8月9日は忘れられない日だ。原爆の日。長崎県では投下時刻の午前11時2分には鐘が鳴り、黙とうがささげられる。県内の小中学校は毎年、臨時登校日で被爆者の体験講話を聞き、写真や資料などで平和の大切さを学んできた。「この日は誕生日が近づく感覚」と表現。「日本の歴史が、原爆が忘れられないように。後世に伝えていくと習った。いい投球ができて良かったです」。チームを連勝に導き、北の大地から勇気を届けた。(福井 亮太)

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