関本賢太郎氏、好守連発で進化見せた阪神 攻めの守備に見応えある もう少し攻撃でもその姿勢を

[ 2023年5月3日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2023年5月2日    甲子園 )

5回1死、中野はアルモンテの打球を好捕(撮影・大森 寛明)
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 【関本賢太郎 視点】敗れはしたが、大入りの甲子園で、阪神は守備での進化を見せた。先発投手が初回に崩れると、守りも連鎖反応を起こして、わやくちゃな試合になってしまうことが多い。だが、今季は試合終了まで守備の集中力はキープできている。

 5回の守備では中野が3連続の美技でスタンドを一気に盛りあげた。大島の投手返しの打球を鋭いダッシュと素手捕球でアウトにすると、アルモンテの打球は左に、石川昂に対して右に動いて、見せ場をつくった。2回の岡林に対して、前進チャージしながら最後はグラブを軽く引いてアウトにしたハンドリングの柔らかさも高いレベルの守りだった。4回の村松の打球をファンブルし、一度はついた失策が、リクエストによりアウトになったのも、中野にとって大きなプレーになる。

 中野に限らず、木浪も小野寺も含め、阪神は攻めの守りを展開している。その姿勢をもう少し攻撃でも発揮してほしい。回の先頭打者が大事に行かないと、という気持ちを持ちすぎている印象を受けた。先頭打者の出塁は3回の木浪だけ。初球から打ってアウトにはなりたくない、と思っているのか、追い込まれるまで見ている傾向が気になる。

 佐藤輝が2本の二塁打を打ったのも、初球から振ろうという姿勢によるもの。勝負で相手が一番嫌なのは手数だ。与えるプレッシャーはスイング数に比例するはずだ。(本紙評論家)

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