落合博満氏 地獄のキャンプだけではない 試合のない月曜日も単なる調整にしなかったワケ

[ 2022年11月30日 17:15 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が30日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。2004年の中日監督就任1年目の“オレ流春季キャンプ”について語った。

 「キャンプ初日に紅白戦」「6勤1休」と次々と就任直後から改革を進めた落合氏。朝7時から、日が暮れてボールが見えなくなるまで続いた中日キャンプは大きな話題を呼んだ。就任当初に掲げた「10%の底上げ」を現実にするために「(選手たちを)うまくするためには、そうせざるをえないじゃない。普通のことをやってたら、普通で終わっちゃうってことだよ」と信念を貫いた。キャンプの成果について、スタッフから「やっぱり選手の体力ついたなというのは目に見えたか」と問われると「目には見えてない。ただシーズンの動き見てれば、体力がついているんだな」と戦う中で実感したという。

 キャンプだけではなく、移動日や休養日となる月曜日の練習も単なる調整ではなかった。「シーズン中も休みなかったからね。オレが見にいくと見に行かないで、空気が変わるっていうふうに言われてたから。“この練習だけでいいのか”って言うと、やらざるを得ない」と落合氏。ただ、時間を長くやらせることだけが目的ではない。「お前、調子悪いんだろ、じゃあもっと打つんだったら、打ちゃあいいじゃないか。そこの(打撃)ケージを独り占めさせて打たしてる。何で出来るまで時間を伸ばしてでも、やらないんだっていうのが、俺のスタイル」と語った。

 プロとして必要な体力と技術がある。そこに届いていないなら、身に着けるしかない。シーズン中も試合以外の時間をそのために使う。「上手くなる為に、選手生命伸ばす為には、当たり前なことやらせたっていうだけのことだよ。特別なことをやらせたわけじゃないよ」と語った。練習では落合監督もノックバットを持った。「“監督のノックはキツいから嫌です”って逃げたやつもいるよ。でも、最後までやったのは、荒木(雅博)と井端(弘和)と森野(将彦)だけだよな」と振り返った。

 04年、就任1年目でリーグ優勝に導いた。「必ず優勝するんだっていう気構えだけはあった。だってこんだけ練習して優勝できなかったら、次の年から、どうやって練習すりゃあいいのかって考えちゃうじゃん。ナンボ練習したって勝てないんだって言うふうに思われると困るんでね。2004年っていうのは、“練習したら上手くなるんだ、強くなるんだ”っていうことを意識づけるために、必死にやった年」と語った。

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