広島・菊池涼 山本浩二超え意欲!レジェンドに並ぶ10年連続GG賞…来季セ最長11年連続へ「全力で」

[ 2022年11月30日 05:00 ]

<三井ゴールデン・グラブ賞>トロフィーを受け取る広島・菊池涼(撮影・白鳥 佳樹)
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 守備の名手に贈られる「第51回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が29日、東京都内のホテルで開かれ、広島・菊池涼介内野手(32)がレジェンド超えに意欲を示した。広島OBの山本浩二に並ぶセ・リーグ最長の10年連続10度目の受賞。記録更新がかかる来季に向け、レギュラーとして貢献を誓う中で「獲れて良かったと思えるように全力で頑張りたい」と力を込めた。

 10個目となる金色のグラブ形トロフィーを、とびきりの笑顔で手にした。球団OBの山本浩二とセ・リーグ最長記録で並ぶ10年連続。菊池涼は、14年の受賞時に口にした「山本浩二さんを目指したい」という目標を感慨深げに振り返る。

 「まさかね。まさかこんなふうになるとは思っていなかったです。(野村)謙二郎さんをはじめ(歴代監督の)皆さんに使っていただいたところから始まっているので、そこはほんと感謝したいです」

 プロ2年目の13年にセ・リーグ二塁手で最年少となる23歳7カ月で初受賞。翌14年にシーズン最多記録の535補殺をマークすると、20年には史上初の守備率10割を達成するなど、二塁で数々の快挙を成し遂げてきた。定位置を10年間守り抜く価値、心技体の強さも特筆ものだ。

 今季のベストプレーには8月6日の阪神戦(マツダスタジアム)を挙げた。3点を追う8回1死二、三塁で、近本の放った二塁寄りのゴロが跳ねたところをジャンプして好捕し、三走・木浪を本塁で刺したシーン。的確な状況判断、素早く正確な送球の成果だった。
 「タッチプレーなので、ストライクに投げないとアウトにならない。勝負に出た間一髪のプレーなので、印象に残っています」

 32歳。チームの先を見据え、若手の台頭を希求する。今春キャンプでは特守に加わり、惜しみなく助言する姿があった。年明けの自主トレをともにする羽月からは「キクさんを超えたい」と挑戦状をたたきつけられた。名手は笑って目を細める。

 「いやいや、超えてくれって(笑い)。若い子が出てこないとチームは強くならないし、レベルが上がると、僕も負けられないという気持ちになる」

 若手を鍛え、自身は刺激をもらう。根底には揺るぎない自信がある。来季、連続受賞を11年に伸ばせばリーグ最長記録を更新する。「いや、超えられないです。広島の山本浩二さんを抜いてはダメなんです」と敬意を示しても、勝負に挑む気持ちに何ら変化はない。

 「1年間ずっと(試合に)出ていないと、名前は挙がらないと思う。チームに貢献しながら最後にご褒美というかね、獲れて良かったと思えるように全力で頑張りたいです」

 勲章は、名手が有言実行した先にある。

 ○…菊池涼(広)は二塁手で13年から10年連続10度目のゴールデングラブ賞受賞。10年以上連続は秋山幸二の10年(西、ダイエー=87~96年)以来、26年ぶり4人目。過去3人は外野手で、菊池涼は初の内野手の達成。最長は福本豊の12年(阪急=72~83年)。セ・リーグでは山本浩二の10年(広=72~81年)に並ぶ最長記録。

 ○…10度以上の受賞は、新庄剛志が阪神時代の93年から日本ハムの06年にかけての10度以来16年ぶり10人目。最多は前出福本の12度。セでは前出の山本、駒田徳広(巨、横浜)、宮本慎也(ヤ)、古田敦也(ヤ)に並ぶ5人目の最多記録。

 《ゴールデングラブ賞》72年にダイヤモンドグラブ賞として始まり、86年から現名称となり今年で51回目となる「守備のベストナイン」表彰。選考は新聞、通信、放送各社のプロ野球担当として5年以上の経験を持つ記者による記名投票で行われる。今年の有効投票数はセ・リーグが292、パが261だった。

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