1試合3二塁打の大阪桐蔭・伊藤 堂林翔太らの大会記録更新いけるぞ!春夏連覇へけん引

[ 2022年8月17日 04:06 ]

第104回全国高校野球選手権大会第11日・3回戦   大阪桐蔭4-0二松学舎大付 ( 2022年8月16日    甲子園 )

<大阪桐蔭・二松学舎>6回裏無死、大阪桐蔭・伊藤はこの日3本目の二塁打を放ち、一塁を回る(撮影・椎名 航)
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 3回戦4試合が行われた。史上2校目の秋春夏制覇と3度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭は序盤3回で3得点を重ね試合を終始リード。「1番・三塁」の伊藤櫂人(3年)が1試合3二塁打で大会タイ記録をマークし、背番号1の先発右腕・川原嗣貴(3年)も6安打完封勝利と投打がかみ合い、準々決勝に進んだ。

 最強打線の主役は、クリーンアップだけじゃない。大阪桐蔭のリードオフマン・伊藤が大会タイ記録の1試合3二塁打で2季連続の8強に導いた。

 「1番打者として、チームにどれだけ自分が勢いをつけられるかを意識している。結果的にチームを勢いづけられたと思う」

 初回、深く守っていた左翼手の右へ飛ばし、二塁へ。丸山一喜の左前適時打では先制のホームも踏んだ。4回1死無走者では左翼手の前へ落とす打球で、守備がもたつく間に三塁を陥れる好走塁(記録は二塁打と失策)。6回先頭では左中間へ転がったゴロで二塁に到達し、大会タイ記録を樹立した。19―0と大勝した2回戦・聖望学園戦の9回先頭では左前への当たりで激走して二塁打に。「“一打二進”ということで、常に狙う意識を持ってやっていこうと話しているので、結果的にそういうふうになっただけ」。主将で「8番・二塁」の星子天真も「徹底しているので、いつも通りだなと思います」と平然と言ってのけた。

 今大会は3試合で15打数8安打1打点8得点で打率・533。絶好調を誇る打棒は、幼少期の大けがを乗り越えた先にあった。3歳時、自宅の階段を2階から1階へ転落。右肘を骨折し、1週間入院した。固定器具は腕の皮膚を突き出るほど。3カ月近くボルトも入っていた。幸い、現在はまったく影響がないが、痕は残っている。母・真由さん(41)は「小さい頃はもの静かだったけど、野球をやりだしてから自分を出せるようになった」と頼もしそうに愛息の活躍を三塁アルプスから見届けた。

 3試合で計4二塁打。大会通算の最多二塁打記録は中村奨成、堂林翔太(ともに広島)ら過去4人が達成した6本で、新記録も視界に捉えた。頼れる切り込み隊長が、3度目の春夏連覇へ力強くけん引する。 (北野 将市)

 ≪二塁打の個人1大会最多は6本≫大阪桐蔭・伊藤が個人1試合最多の3二塁打。21年に神戸国際大付・山里が北海戦で記録して以来、大会30人目。二塁打の個人1大会最多は6本で、09年の中京大中京・堂林翔太(現広島)、17年の広陵・中村奨成(同)らが記録している。

 ◇伊藤 櫂人(いとう・かいと)2004年(平16)9月30日生まれ、岐阜県海津市出身の17歳。高須小1年から海津中央クラブで野球を始める。日新中では西濃ボーイズに所属して3年時にボーイズ日本代表。大阪桐蔭では2年秋からレギュラー。今春選抜では市和歌山との準々決勝で1イニング2本塁打。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

 《川原 聖地4戦目で初完封「次に向けても自信になる」》身長1メートル88の大型右腕・川原嗣貴が6安打、8三振の投球で、春夏4試合目の先発で甲子園初完封勝利を挙げた。「甲子園で9回を投げ切れたのは、次に向けても自信になる。打たれた後にどうアウトを取るか考えながら投げることができた」と初戦の旭川大高戦で先制を許した反省から、低めを徹底的に意識。9回も無死から連打されながら、後続を打者3人で打ち取った。「大阪桐蔭の背番号1の責任は重く感じている。ふがいない投球はできない」と春夏連覇を見据えた。

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