下関国際・古賀の初志貫徹 大記録見えても「アウト一つ一つ」 先輩の8強超えに意欲

[ 2022年8月17日 04:02 ]

第104回全国高校野球選手権大会第11日・3回戦   下関国際9-3浜田 ( 2022年8月16日    甲子園 )

<浜田・下関国際>下関国際の先発古賀(撮影・岸 良祐)  
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 3回戦4試合が行われた。下関国際(山口)が浜田(島根)との隣県対決を制して、4年ぶりにベスト8へ進出した。古賀康誠(こうせい)投手(3年)が6回1安打零封の快投でけん引し、県勢夏80勝を達成した。18日の準々決勝で下関国際は大阪桐蔭と対戦する。

 初志貫徹した。下関国際の左腕・古賀は試合前、「どんな状況でもアウトを一つ一つ取る」と決めていた。大記録の可能性があっても、変わらなかった。

 5回まで無安打で、わずか1四球。富島(宮崎)との初戦は5回2/3を無失点ながら5四死球だった。「初戦に比べてスライダーが安定した」と、武器である120キロ台と110キロ台の2種類のスライダーを軸に快投。6回2死で初安打となる左中間二塁打を浴びたが「問題ない。次の打者にストライク先行で抑えにいった」と次打者を遊ゴロに抑え、6回1安打無失点、6奪三振だ。

 幼少期から意思を曲げない性格。小2で野球を始め、スナック菓子のおまけのプロ野球選手のカードを100枚以上集めた。小学校低学年の時には、福岡県北九州市の自宅近くの公園で父・貴司さん(52)とキャッチボールを繰り返す日々。思うように投げられなければ、父に「もうやめよう」と言われても涙を流しながら、1時間以上投げ続けることもあった。

 目標も貫いた。18年に8強入りした先輩に憧れ下関国際に入学した。今大会は計11回2/3で無失点を続けている。同年以来のベスト8に「入学から8強を掲げていたのでうれしい」とはにかんだ。昨秋の中国大会は準々決勝で広陵(広島)に敗れ、今春選抜出場も逃した。普段はあまり感情を出さない古賀は試合後に号泣した。

 悔しさを胸に、一層ウエートトレーニングに注力した。球速は10キロもアップして最速は147キロまで伸び「夏に戻ってくる」というチームの誓いも貫いた。「過去の先輩が残された8強を超えたい」と古賀。意思を貫く男が次に立てた目標は、初の4強だ。 (田中 健人)

 ◇古賀 康誠(こが・こうせい)2004年(平16)9月3日生まれ、福岡県出身の17歳。小学2年時に高須少年野球クラブで競技を始める。中学時代は硬式のヤング北九州若松アンビシャスでプレー。高校では県独自大会だった1年夏からベンチ入り。2年春の選抜から背番号1。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

 《4番の底力!賀谷は2戦5安打「古賀のためにも」》打線は12安打9得点と機能した。勢いづけたのは4番の賀谷(かや)勇斗(3年)だ。初回1死二、三塁で中前に先制の2点打。「古賀のためにも早い段階で点を取りたいと思っていました」と話した。2試合で10打数5安打、打率5割とチームをけん引している。初のベスト4進出に向け「過去の先輩を超えたいと思います」と意気込んだ。

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