阪神ドラ1・森木 合流即!!志願ブルペン33球 18歳に安藤コーチも感心「頭のいい子で理論的」

[ 2022年2月3日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む森木(撮影・坂田 高浩)
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 阪神のドラフト1位・森木大智投手(18=高知)が2日、高知・安芸の2軍キャンプに合流し、初日からブルペン入りした。初めて背番号20のユニホームを着用して練習。新人合同自主トレから通じて初めて捕手を座らせた投球練習も解禁した。早々に実戦を想定して投げるなど、高卒新人離れした思慮深い姿勢が随所で表れた。

 気温9度の安芸市営球場のブルペン。慣れ親しんだ故郷で寒さは気にならない。森木は次々と威力抜群の直球を投げ込んだ。高知中・高の先輩でもある捕手の栄枝を立たせた状態で20球を数えた後、新人合同自主トレから通じて初めて座らせて13球を投げた。計33球。背番号20のユニホーム姿で踏み出した第一歩だった。

 「(捕手に)座ってもらってのブルペンは初めて。真っすぐオンリーで投げてみて、低めに(球が)集まっていたし、それなりに良かった」

 1日の卒業式を終えて合流。当初ブルペン入りは流動的だった。安藤2軍投手コーチとはキャッチボールの状態で最終判断することを確認。試運転を終えた段階で「入ります」と申し出た。

 全部で40球以内、捕手を座らせてからは20球以内の制限付きで始まった。まずはカーブ、スライダー、スプリット、カット、ツーシームの持ち球全てを試し、プロ仕様の2段モーションも確認。捕手を座らせてからは直球のみ右打者を想定し、内外角に投げ分けた。

 「自主トレでは自分のことを見つめていたけど、キャンプでは実戦に近づけていかないといけない。打者を意識して、どのコースに投げるか。相手を感じないと勝つことはできない。野球という競技は勝つことが目的。勝つためのピッチングを。限界を一歩超えていけるようなパフォーマンスを出せるようにと思っている。試合でしんどい時にギアを上げられるように」

 投球後は栄枝や安藤コーチと意見交換。自分の考えを伝え、修正していく姿は高校を卒業したばかりの18歳とは思えない。安藤コーチも「頭のいい子で理論的。漠然とやるんじゃなくて(自分で)考えながらできる」と感心しきりだった。

 投内連係や打撃練習などフルメニューを消化し、午後の個別練習でも約30分間、黙々とネットにボールを投げた。第2クールまでは捕手を座らせた投球は直球のみに限定する方針。最速154キロは「限界」を超え、どこまで伸びるのか。「高知からスタートできるのはありがたい。見に来てくれる方々もたくさんいる。しっかり(結果で)返したい」。故郷で始まった初キャンプ。1日目から、もうプロの顔になっていた。(石崎 祥平)

 <森木に聞く>

 ――初キャンプを迎えて。
 「皆さんも自分もユニホームを着て、身が引き締まる思い。分からないことは先輩に聞いてばかり。そこは甘えて自分のものにしていければ」

 ――ブルペンでは先輩の栄枝と組んだ。
 「平常心でいられた。自分のフォームを客観視できたので、良かった。(栄枝には)12月よりも良くなっている、と言われた。自信を持って、まだまだ上げていきたい」

 ――平田2軍監督とは、どんな話を。
 「結果を残して稼いでいくのが大事だよ…と。1軍で活躍しないとプロ野球選手じゃない、早く1軍に上がれるように…と言われた」

 ――ネットスローの狙いは。
 「軸足の膝の位置の確認など。どこに重心を乗せたらいいのか。いろいろ思っていた修正点がブルペンで出たので」

 ▼阪神・平田2軍監督 インコースからアウトコースに投げ分けて、捕手に“インコース寄ってください”って言ってたりとかさ。そういう向上心がある。投内連係もそつなくこなし、センスが感じられた。卒業して区切りもついて、野球にも集中できる。飛ばし過ぎ、張り切り過ぎだけは、注意しないといかんなとは思っている。

 <近年阪神高卒ドラ1投手のキャンプ“初ブルペン”>

 ☆藤川球児(98年1位)キャンプでは一度もブルペン入りせず、ランニングと下半身強化に集中。「今年はずっと体力アップがテーマです」

 ☆鶴直人(05年高校生ドラフト1巡目)右肘痛からの復活途上で、2月12日に安芸でネットを相手に25球。「やっぱりマウンドの感触はいいですね」

 ☆藤浪晋太郎(12年1位)2月1日、和田監督が「先輩と並ぶとペースが乱れる」と配慮し、5人同時に投球可能な宜野座のブルペンに1人で立って30球。「(1人で)逆にやりにくさもありましたが、集中して投げることができた」

 ☆西純矢(19年1位)2月5日、安芸で立った状態の捕手を相手に直球のみ30球。力みのないフォームを追求し「思っている以上のボールがいった」

 《進化を絶賛》栄枝は年末年始に一緒に練習をした高知中・高の後輩、森木のボールを受け「やっぱり球が速くて、ちょっと身構えないと危ないという感じでしたね」と絶賛した。スライダーの切れと制球力も称え、「高卒離れした球。(プロでも)全然見劣りしない」と高評価。昨年10月の右肋骨疲労骨折からの「リハビリ期間」のため打撃は制限付きでも、“年上女房”としてドラフト1位右腕には頼もしい存在だ。

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