甲子園への思いに障がいの有無関係なし 思い切り楽しんでほしい「真剣勝負」

[ 2022年2月3日 09:00 ]

甲子園球場
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 野球に懸ける情熱に、障がいは関係ない。再認識させられた。1月29日、特別支援学校などの生徒に高校野球の甲子園大会を目指す機会を得られるようサポートする「甲子園夢プロジェクト」と、神奈川の慶応高野球部とのオンライン交流会が開催された。

 コロナ下ということもあり、慶応グラウンドでの実施予定を変更し、オンライン形式となったが、同年代の生徒たちがお互いの練習内容や取り組みを紹介しながら親交を深めた。

 「甲子園夢プロジェクト」の生徒では、愛知県立豊川特別支援学校高等部2年の林龍之介さんが自身のことについて発表。「中学3年のとき両親と初めて甲子園に行った。真夏に白球を追う姿に心を動かされ、野球をしたいと強く思うようになりました」と昨年3月にプロジェクトに参加するきっかけを紹介した。

 父とのキャッチボールやバッティングセンターなどでしかやっていなかったが、「いろいろな練習はとても新鮮だった」と笑顔で話した。林さんは昨年5月に腰椎(ようつい)分離症を発症。その数カ月後には姉を亡くすなど、悲しい出来事も乗り越えて野球に取り組む。

 練習内容など紹介した慶応の久保田翔己捕手(2年)は「野球に対する気持ちはまったく変わらなくて同じでした」と刺激を受けた様子。主将の宮原慶太郎(2年)も「野球を好きな人の垣根があってはいけない。打席に立ちたい、白球を追いたいというのは誰もが思ってもいいこと。いろんな人が野球を楽しめる環境をつくることが大切だと思います」と強いまなざしで語った。

 次回は3月6日に、慶応グラウンドで合同練習を行う予定だ。お互いの生徒が誓ったのは「真剣勝負」。今回がオンライン形式になった分、好きな野球を目一杯、真剣に楽しんでほしいと思う。(記者コラム・田中 健人)

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2022年2月3日のニュース