データで見たオリックスの強さ 防御率1、2位の由伸&宮城 ともに23歳以下は85年のあのコンビ以来

[ 2021年10月27日 21:01 ]

宮城大弥(右)の頭をなでる山本由伸(撮影・平嶋理子)
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 オリックスは27日、イチロー氏が中心選手だった96年以来、25年ぶり13度目のリーグ優勝を果たした。同日に、ロッテが楽天戦に敗れたためで、12球団で最も優勝から遠ざかった球団に四半世紀ぶりに歓喜の輪ができた。以下、今季のオリックスの躍進ぶりを、データをもとに振り返ってみた。

 ☆最下位からV字回復 現行の12球団で最も優勝から遠ざかっていたオリックスが96年以来、25年ぶりのリーグV。前年最下位からの優勝は46年グレートリング、50年松竹、60年大洋、75年広島、76年巨人、01年近鉄、15年ヤクルト、今季ヤクルトに次いで9チーム目。セ、パともに達成は初めてとなった。

 ☆球団初の新人&OB監督 中嶋監督は昨季8月から代行監督を務め就任1年目でV。新人監督の優勝は15年の工藤監督(ソ)、真中監督(ヤ)に次ぎ20人目で球団では初めて。過去の優勝監督の西本幸雄は毎日(現ロッテ)、上田利治は広島、仰木彬は西鉄(現西武)の1球団で現役生活を終えており、球団OBとしても86年ドラフト3位で前身の阪急入りした中嶋監督が初めてだ。

 ☆中嶋マジック 143試合で130通りの日替わりオーダー。先発野手の全く同じ打順が続いたのは10月3~6日(3試合)、16~17日(2試合)の2度だけだ。4番には78年の12人に次ぐ球団史上2番目に多い8人を起用し、臨機応変に結果を出した。

 ☆左右の両輪 23歳右腕の山本が球団新の15連勝を含む18勝5敗、高卒2年目左腕の宮城が13勝4敗と2人で22の貯金をつくった。防御率は2人が上位を占め、球団では71年山田&足立、84年今井&山田、02年金田&具台晟(クデソン)に次いで19年ぶり4度目。ともに23歳以下はパでは85年西武の工藤22歳、渡辺20歳以来36年ぶりだ。山本(1・39)と宮城(2・51)の防御率の差は1・12。1位と2位の差としては、70年セの村山実(神=0・98)と平松政次(大洋=1・95)の0・97を超え最大だ。

 ☆三振しない男 右尺骨骨折で離脱中の吉田正は打率・339で2年連続の首位打者が確定的。先発を外れた試合は16勝17敗4分けと負け越し、平均得点3・00で、今季平均4・15から大きく下がったように存在感が際だった。昨季に比べ本塁打は14から21に増え、元々少ない三振は29から26へ減少。打率3割&20本塁打以上で30三振未満は77年若松勉(ヤ)以来、44年ぶり11人目(13度目)。落ちる変化球が全盛の近代野球で孤高の域に達している。

 ☆主砲に急成長 4番定着の杉本は32本塁打で初タイトルが濃厚。15年ドラフト10位入団で、ドラフト外の選手を除けば76年首位打者の吉岡悟(太平洋=67年ロッテ10位)と並ぶ最も低い指名順位での打撃タイトルとなる。昨季は2本塁打。2リーグ制以降、本塁打王獲得前年の本数としては14年中村(西)の4本を下回る最少本数からの飛躍となった。

 ☆若手の台頭 正遊撃手に定着した2年目の紅林が10本塁打。2リーグ制以降で高卒2年目までに2桁本塁打は球団初となった。来田は7月13日の日本ハム戦で高卒ルーキー史上初のプロ初打席初球本塁打。若い力の抜てきもチームに競争と勢いをもたらした。

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