エンゼルス・大谷 進化止まらぬ44号本塁打、内角撃ち弾丸ライナーで出場4試合ぶり一発

[ 2021年9月12日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー10アストロズ ( 2021年9月10日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>初回、大谷は右越えの44号ソロを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 初回1死、フルカウント。エンゼルス・大谷が振り抜いた打球は角度22度の低い弾道で、右翼席に突き刺さった。出場4試合ぶりの44号。この日、自身初の2桁10勝に到達した左腕バルデスが投じた内角低めに沈むシンカーだった。

 「良いシンカーを投げる投手。なかなか甘い球は来ないけど、ああいう難しいボールを打てれば、来年以降もっともっと良い成績が残るんじゃないかなと思う」

 試合前までバルデスに対して13打数1安打(打率・077)。「厳しい球種だったり、外のボールになるカーブがもちろん多くなる」。外角球を警戒しながら、勝負球を仕留めた。打球速度は114・7マイル(約185キロ)。110マイル(約177キロ)超えの本塁打は今季23本目でメジャー断トツだ。バットのヘッドをぎりぎりまで返すことなく、フェアゾーンに残した技術は進化の証明だった。

 本塁打率(本塁打1本あたりに要した打数)は前半戦の9・1から後半戦は15・2に悪化。投打同時出場した球宴やシーズン終盤の疲労が指摘される中、当人は「目に見えて疲労を感じることは特にはない」という。今季は蓄積疲労回避を目的に開幕から屋外で打撃練習を行わないが、不振でも同じ。「やることは変わらないので、それを一貫して1年間、最後までやり続けられればいいかなと思う」とぶれていない。

 MVP3度の主砲トラウト、19年打点王のレンドンは故障で不在。残り試合も大谷にマークが集中するが「良い打席を毎日毎日、続けていけたらなと思う。基本に忠実に毎日、1打席を大事にしながら打ちたい」。その積み重ねこそ、さらなる進化につながる。

 《ア・リーグの投手で51年ぶり》大谷は4回2死二、三塁で敬遠で歩かされた。ア・リーグの投手が打者として敬遠四球を記録したのは、70年9月1日のブルワーズ戦のダブルヘッダー第2試合での、ツインズのジム・カート以来、51年ぶり。通算283勝を挙げた同投手は、64年に3本塁打を放つなど通算16本塁打を記録した。(柳原 直之)

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2021年9月12日のニュース