亀山つとむ氏 出塁した中野が広島左腕・高橋昂に圧力をかけ、攻撃の流れをつくった

[ 2021年9月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-1広島 ( 2021年9月11日    マツダ )

亀山つとむ氏

 【亀山つとむ 視点】秋山との投手戦でテンポ良く投げていた広島の左腕・高橋昂に、圧力をかけたのがルーキー・中野だった。6回の先頭打者として、逆方向への左前打で出塁。足でバッテリーを揺さぶった。

 リードをしっかり取るから、警戒しなければならない。自分のペースで投げることができなくなり、配球でも直球の割合が増えてくる。続くサンズがボールを選んで四球で出塁し、マルテがカウント2―2から甘く入った直球を3ランした。会沢の構えは内角で明らかな失投。攻撃の流れを中野がつくっていた。

 3番では持ち前の選球眼できわどいところを選び、出塁を意識して攻撃に貢献していたマルテだが、4番では「自分が決めなければ」という力みが強く出ていた。ひと振りで仕留めたこの一発で、状態はグッと上がってくる予感がする。外国人3人を併用している阪神で終盤に求められるのは効果的な一撃。佐藤輝不在の穴を感じさせないこの日のような攻撃を継続していけば、後手に回ることは少なくなるはずだ。

 秋山も丁寧な投球が目を引いた。セットで入り、クイックも入れて、打者のタイミングを外していった。ゲームをしっかり作れたからこそ、マルテの3ランの価値も上がった。西勇、秋山での連勝はチームにとって大きな意味を持つ。残り34試合。先発陣がそれぞれ任された登板で責任を果たせば、チームも失速せずに済むと思う。

 西勇の100勝に続いて糸井も300盗塁を達成した。お祝いごとというのは、チームの雰囲気を良くしてくれる。ミスなく、自分たちの野球を表現していけば結果は伴ってくる。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2021年9月12日のニュース