阪神・矢野流の配置転換 及川は先発、アルカンタラは中継ぎ 将来性も考慮「これからのこともある」

[ 2021年7月20日 05:30 ]

<阪神全体練習> ノックを受ける及川(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 勝負の後半戦へ向け、阪神・矢野監督が投手陣の整備を敢行する。前半戦を終え、チーム防御率3・32は堂々のリーグ2位。先発投手陣は左右とも2点台と安定した投球を見せたが、首位固めにはさらなる投手力アップが求められる。注目は先発再転向の藤浪だが、指揮官は“新戦力”の新規開拓にも目を向けた。

 「及川なんか本来なら先発で使いたい。先発で育てていきたいタイプ。これから(将来)のこともある」

 今季の必要戦力としてだけでなく、将来も見据えていた。プロ2年目の今季も、チーム事情で中継ぎスタート。5月28日の西武戦でデビューを果たすと、同30日の西武戦で待望の初勝利を挙げた。ここまで全15試合に救援登板して防御率1・56をマーク。セットアッパーとしての役割が加わるなど、もはや欠かせぬ戦力になりつつあるが、理想像として掲げてきた先発に配置転換する方針を固めた。

 一方で16年ぶりのV奪回へ向けた方針転換にも取り組む意向を示した。そのキーマンがアルカンタラだ。昨季は韓国プロ野球(KBO)で20勝をマークし、鳴り物入りで来日した。当然のように今季は先発としてキャリアをスタートさせたが、来日が大幅に遅れたこともあり7試合で2勝2敗の防御率4・05。矢野監督は捕手目線から右腕の適性を見極めた上で、後半戦では救援投手として起用する考えを示した。

 「短いイニングであれば、もっと思い切っていけるから、(スピード)ガンくらいの威力をバッターが感じる可能性もあると思う」

 過酷なシーズン終盤へ向けた救援陣を、総力アップさせたい狙いがある。今後はエキシビションマッチなど実戦を経て最終判断する構え。中長期的な視点も持ち合わせる矢野監督は「勝ちながら育てる」の難題にも挑む。 (山本 浩之)

 ○…阪神の先発投手成績は36勝22敗、防御率2・95で、勝利数と防御率はともに12球団トップ。月別成績を見ると

月 試 勝 敗 投球回 防御率
3  5  2  1 5・73 2・51
4 24 15 6 6・36 2・36
5 19  6  4 5・65 4・02
6 23 10 6 6・36 2・38
7 13  3  5 5・69 3・89
(投球回は平均投球回)

シーズンの経過とともに序盤の勢いがなくなり、7月は初めて黒星が先行する形となっている。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月20日のニュース