DeNA・小深田 過去の栄光捨て「44」背に上るプロの階段

[ 2021年7月20日 05:30 ]

DeNAで佐野の後継者として期待されている小深田
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 【イースタン期待の若手】DeNAの小深田大地内野手(18)は、フルスイングが身上。履正社(大阪)で2年時に夏日本一となり、高校通算35本塁打の長距離砲として入団した。ルーキーイヤーの今季はイースタン・リーグでここまで61試合に出場。だが「プロの壁」は高い。将来の中軸候補は、悩みながら前進し今季中の1軍出場を目指す。

 小深田は過去の栄光と決別した。高校日本一、通算35本塁打。だが心境はこうだ。「高校では本数を気にしたがもうこだわりはない。自分はホームラン打者でもない。本塁打より打率を残したい」

 ここまで61試合に出場し195打数39安打、打率・200、1本塁打、23打点。三振70はリーグワーストだ。「3、4月は直球も対応できず凄く悩んだ。でも出場機会をもらっている。いろいろ考え少し安打も出るようになってきた」

 背番号44の前任は主将の佐野で、最後に背負った昨年は首位打者を獲得した。後継者として仁志2軍監督も期待するからこそ、試合出場数は多い。

 改良は重ねている。高校時代からバットを引く際に一度グリップを下げていた。それを「グリップが下がる癖。高校はそれでも打てた」と表現。現在はプロの投球に対応するため、グリップは下げず「素直にインパクトに向かうことを心掛けるようにした」とムダを省いた。

 打席の立ち位置も、本塁寄りの白線から約10センチほど離れていた高校時代から、さらに約10センチ後方に下がった。「結構、変えました。球威に負けず踏み込んで打つため強い体重移動ができるようにした」。打ち負けないための工夫だった。

 理想の打撃は「全方向に強い大きい打球を打つこと」。4月28日に西武・ニールから放った左翼席への1号に手応えがあった。「実績のある投手からスライダーを逆方向に運べたことは自信になった」と振り返った。

 まだ壁は高いが「背番号に負けない選手になりたい。結果を残し1軍に呼んでもらいたい」と小深田。今は階段を一歩一歩上っている。(大木 穂高)

 ◇小深田 大地(こぶかた・だいち)2003年(平15)3月25日生まれ、兵庫県姫路市出身の18歳。小1から野球を始め、中学時代は硬式野球の「姫路アイアンズ」に所属。履正社(大阪)では2年夏の甲子園で3番打者として全国制覇に貢献した。20年ドラフト4位でDeNA入り。1メートル78、88キロ。右投げ左打ち。
 

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