大谷34号!後半戦1号、本塁打王へリスタート HR競争による引っ張りグセ修正

[ 2021年7月20日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4―7マリナーズ ( 2021年7月18日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>9回2死一塁、大谷は右越え2ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 本塁打王へ、リスタート!エンゼルスの大谷翔平投手(27)が18日(日本時間19日)、マリナーズ戦の9回に後半戦初アーチとなる34号2ランを放った。球宴前日の本塁打競争出場の悪影響か、後半戦は試合前まで打率1割と苦しんでいたが、5試合&26打席ぶりの一発で不安を一掃。同日に31号を放った2位ゲレロ(ブルージェイズ)との3本差を守り、史上6人目のシーズン60本塁打へ再び歩みを進めた。

 大谷のバットから久々に快音が響いた。2―7の9回2死三塁。セワルドが投じた膝より下の低めのスライダーをゴルフスイングのようにすくい上げると、角度25度の打球は右中間最深部のスタンドに届いた。球宴を挟んだため、本塁打は7月10日以来、8日ぶり。ライバルのゲレロが大谷より早く始まった試合で31号を放ったが、再び3本差とした。

 後半戦が始まり、試合前まで計10打数1安打で6三振。ジョー・マドン監督は「通常よりも“プルモード(引っ張り気味)”で、少し状態を崩していたかもしれない。そこは気になっていた」と指摘した。その理由として考えられるのは、球宴前日に出場した本塁打競争。1回戦で再延長の末、ソト(ナショナルズ)に敗れたが、28本をスタンドに放り込み、見せ場をつくった。

 本塁打だけを狙う人気イベント。年々、ショー的な要素が強くなり、これまでも出場選手が強引に引っ張るあまり、後半戦でスイングを崩すケースはあった。17年優勝のジャッジ(ヤンキーズ)は極度のスランプに陥り、以降は出場していない。今季、大谷と本塁打数を競っているゲレロ、タティス(パドレス)もシーズンを優先し、不参加を表明した。

 大谷の特長は、体の右側にしっかり「壁」をつくり、バットが体の内側から出て、中堅方向にも本塁打を打てること。それが前日は体の開きが早く、4打席連続三振を喫した。そのため、試合前は屋内施設でジェレミー・リード打撃コーチとバランスを修正。打席でのボールの見え方、地面に対してより真っすぐに立つ「立ち感」を追い求めた。球宴の疲労を不安視する声もあったが、指揮官は「疲労というより技術的な問題」とし、右中間に飛び込んだ34号に復調の兆しを感じ取った。

 2、3打席目はボール球を追いかけずに四球。7回の第4打席は、今季メジャー5位相当の秒速30フィート(約9.14メートル)の俊足で一塁内野安打も勝ち取った。シーズン本塁打ペースは59本。ゲレロとのマッチレースを制したその先に日本選手初の本塁打王と60発の大台がある。(柳原 直之)

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2021年7月20日のニュース