阪神・佐藤輝 虎デビュー戦は大学時代未経験の1番 指名の矢野監督「ファンも見たいでしょ」

[ 2021年2月4日 05:30 ]

阪神のドラフト1位、佐藤輝
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が3日、「1番左翼」で初陣に臨むことが決まった。きょう4日の紅白戦で12球団の新人一番乗りで実戦デビュー予定。矢野燿大監督(52)から「ファンに1打席でも多く見てほしい」と1番打者に指名された。沖縄・宜野座キャンプでの打撃練習では初日から3日間で計75発。4球団競合の末に猛虎に加わった新大砲候補が実戦で力を示すときが来た。

 猛虎のユニホームに袖を通して挑む初実戦を翌日に控え、佐藤輝は静かに闘志を燃やした。

 「しっかり打って、アピールしたいと思います」

 圧倒的な長打力を実戦で解き放つ時が来た。右中間へ推定約130メートル弾を放つなど、111スイングで7本の柵越え。初日からの計3日で計75発(511スイング)を数え、潜在能力の高さを存分に見せつけてきた。豪快かつ破壊力に満ちた打撃を実戦でも変わらず披露できるか。開幕への道は、次のステージを迎える。

 粋な舞台も用意された。打順1番での登場。矢野監督から指名された。

 「高山、佐藤輝を1番でいこうかなと。1番で打席多く立てたら、そりゃあ、いいしさ。佐藤と(高山)俊がお互いライバルとして“よーし負けへんぞ”って。ファンの人も見たいでしょ。打席多く回れるんやったら、輝自身も、俊自身も、プラスなんだから」

 練習前の朝に告げられた。その場で両1番がじゃんけん。佐藤輝が勝ち、ホーム側=白組に決まった。もちろん、望むところだ。

 「一番(多く)打席が回ってくるかもしれないので、チャンスが多いと思う。一本一本集中してしっかりやっていきたいと思います」

 無観客が続く春の陣。画面越しに一挙手一投足を見つめる虎党に向けて、あいさつ代わりの豪打を誓った。

 午前のシートノックでは中堅と三塁を守り、中堅では定位置より若干前の位置から三塁への“レーザービーム”を披露。初日からの3日間のシートノックで外野全ポジションを守り、左翼に就く予定の実戦守備でも準備万全だ。

 初体験のプロのキャンプ。早出練習から宿舎での夜間練習を連日こなし、既に疲労の色は濃い。午後のフリー打撃後に組まれた9種目のサーキットトレーニングではハードルジャンプで柵にぶつかるシーンもあった。「(疲労は)関係ないと思うので、しっかりやることをやりたいと思います」。今春最初の見せ場がやってきた。 (阪井 日向)

 ▼阪神・井上ヘッドコーチ 佐藤(輝)、佐藤と騒がれて、7番、8番というわけにはいかない。1番だと多く回るからね。競争意識を高める上で、1番佐藤で打席を多く回したいということ。そのライバルということで左の外野で高山を紅と白に分けた。シーズンで1番といえば、近本がいる。とにかく実戦でより多く打席にという監督の提案。

 ○…佐藤輝(神)は、近大で1年春からリーグ戦出場。全81試合で先発しており、打順は3~7番まで経験し、最多は4番の44試合で、1番は一度もなかった。先発時の守備位置は三塁39試合、左翼29試合、一塁13試合。左翼を守ったのは2年春が最後になる。

 【大卒入団スラッガーのキャンプ初実戦】
 ☆岡田彰布(早大→79年 阪神1位)大卒野手史上最多の6球団競合。米フロリダ州テンピで2月22日に白組の「7番一塁」。3打数無安打に「アウトになったけれど納得できるバッティングでした」と手応え。
 ☆原辰徳(東海大→80年巨人1位)2月19日、紅組の「6番二塁」。2回に右中間適時二塁打、6回に決勝中犠飛で3打 数1安打2打点。
 ☆高橋由伸(慶大→97年巨人1位)2月21日、紅組の「3番右翼」。初打席で左安打を放ち、15日のシート打撃から6打席連続安打。雨のため2回で打ち切りとなり、1打席のみ。
 ☆阿部慎之助(中大→00年巨人1位)2月17日、紅白戦の「7番捕手」。3打数無安打も、守りでは清原から2三振を奪い、清水の二盗を刺して強肩を披露。
 ☆村田修一(日大→02年横浜自由枠)2月12日、紅白戦で紅組の「3番三塁」。3打数無安打も、将来性を買われオープン戦は全19試合に出場。

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