大谷、1打席ごとに微妙な修正…数センチ上げた右足で飛距離も確実性も上がった

[ 2019年6月15日 02:30 ]

地面から右足を数センチ上げた今季の大谷の打撃フォーム
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が13日(日本時間14日)のレイズ戦で日本選手初のサイクル安打を達成した。2年目を迎えた打者・大谷は1打席ごとに微妙な修正を加えている。ノーステップ打法を取り入れ、22本塁打を放った昨年とは違い、右足を数センチ上げる打席も出てきた。右肘手術から復帰直後の5月からもスタンスの広さに変化が出ている。6月は5本塁打。試行錯誤は結果に結びつきつつある。

 右足を少しだけ上げ、内側にひねる。エンゼルス・大谷の打撃フォームに微妙な変化が見えている。

 メジャー1年目の昨季は開幕直前に取り入れた「すり足打法」で結果を残した。今季も継続して取り組んでいたが、ここにきて数センチながら右足を上げる打席が見られるようになった。ブラッド・オースマス監督は、そのわずかな変化を感じ取った一人だ。「オークランド遠征(5月27~29日)の時の打撃練習から調子が上向いてきた。飛距離が出てきた」。オークランド遠征以前は打率.226(62打数14安打)だったが、以後は同.339(59打数20安打)。飛距離だけでなく、確実性がアップした。右足をわずかに上げることで予備動作が加わり、バットがよりスムーズに出てくる狙いがあるとみられる。指揮官は「下半身がより使えるようになった」と分析した。

 他にもさまざまな試みを行う。フリー打撃の最中に左肩にバットをポンと当ててからスイングを開始する。02年世界一に貢献したOBのショーン・ウッテン打撃コーチ補佐は「スタンスの幅が広がってきた。今、昨季に近いところまできている」と指摘する。

 サイクル安打を達成した大谷は試合後、こう話した。「構えの段階もそう。微調整は常に、下半身だけじゃなくて上半身も常に一打席、一打席、変える時もある。それで良かった、悪かったを繰り返している」。毎年、体も変化する。まして昨年10月の右肘のトミー・ジョン手術明けである。変化とアジャストの日々を重ね、6月は5本塁打。試合を経るごとに、大谷の打撃は進化していく。(柳原 直之)

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