大谷、メジャー日本人初サイクル!イチローもルースも成し遂げなかった翔タイム

[ 2019年6月15日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―3レイズ ( 2019年6月13日    セントピーターズバーグ )

エンゼルスの大谷翔平(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が13日(日本時間14日)のレイズ戦で日本選手初のサイクル安打を達成した。左中間3ラン、左中間二塁打、右翼線三塁打を打ち、7回に中前打を放った。01年にイチローが日本人野手としてメジャーの舞台に立ってから19年目で生まれた偉業。1900年以降の大リーグでも複数勝利&サイクル安打達成は史上2人目の快挙となった。

 テレビのインタビューを終えてクラブハウスに戻った大谷をチームメートが待ち構えていた。ナインからビールが浴びせられる。仲間の心遣いが心に染みた。試合後の記者会見には、普段はTシャツなどのカジュアルな服装で応じることが多いが、ワイシャツ姿に着替えて登場した。

 「僕も一平さん(水原通訳)も、ビールをかけてもらって…。初勝利とか初ホームラン以来だったけど、いつやられてもうれしい」

 01年4月2日にマリナーズ・イチローが日本人野手として初めてメジャーの舞台に立ってから19年目。野手としては15人目、途中出場を含め、野手通算8725試合目にして初のサイクル安打だった。「記憶はないので初めて」と話した大谷は「偉大な先輩がいる中で初めて達成できたというのは凄くうれしい。自分の自信になる」と歴史をかみしめた。米データ専門会社スタッツによると、1900年以降に2勝以上を挙げてサイクル安打を達成した選手は、20、21年のジョージ・シスラーだけで、98年ぶり史上2人目。イチローも、ベーブ・ルースも達成できなかった偉業を成し遂げた。

 残るは単打となった7回。大記録にリーチをかけても冷静だった。「もちろんヒットは打ちたいなと思ったが四球でも良かった」。フルカウントから8球目のカットボールを中前に落とした。敵地のファンからも喝采を浴びたが「ゲームも続いていたので切り替えた。ベンチでみんな喜んでくれていたので良かった」とサラリと言ってのけた。

 初回の左中間への8号先制3ランは打球角度19度の超低弾道弾。3回の左中間二塁打の後、4回守備時に停電による36分間の中断があったが、マシン打撃を繰り返すなど集中を切らさなかった。直後の5回は6球続いたカーブを右翼線へ。「いつ真っすぐが来るか。(その中で)カーブも拾えるタイミングを取れていた」と高い技術で、最も難度の高い三塁打を快足で生んだ。

 技術、長打力、脚力を兼備し、投げては100マイル(約161キロ)を超える本格派。驚異の万能性で定石を覆してきた大谷は言った。

 「複数の二塁打、ホームランがあっても駄目。運も必要。ツキみたいなものも今日はあった。もっともっと上げていきたい」

 次への姿勢、ブレない心も誰も歩いたことのない道を進む大谷の大きな武器である。

 【サイクル安打アラカルト】
 ★日米達成人数 大リーグでは、近代野球以前も含めると延べ326度とされるが、公式記録が残る1908年以降では大谷は245人目、273度目。日本プロ野球では過去、69人で74度。投手で勝利投手&サイクル安打は、巨人・川上哲治と阪神・藤村富美男の2人だけ。
 ★サイクル超え 日本人野手が三塁打を残して2本塁打のためサイクルを逃したケースが過去に2度ある。02年7月2日にジャイアンツの新庄がロッキーズ戦で、06年6月24日にマリナーズの城島がパドレス戦で記録。
 ★あと1本 日本人選手がサイクル安打にリーチをかけて打席に立ったケースは過去28度。うち本塁打なしが7度、三塁打なしが17度、二塁打なしが3度、単打なしが1度。大谷も6月8日のマリナーズ戦で三塁打が出ればサイクル安打の状況で、最終打席に一ゴロに倒れた。 

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