楽天 ブラッシュで奪首!2打席連発で12球団最多17度目逆転勝利 年に一度の盛岡「声援のおかげ」

[ 2019年5月29日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7-2西武 ( 2019年5月28日    盛岡 )

笑顔でガッツポーズするブラッシュ(左)と塩見(撮影・尾崎 有希)
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 楽天が28日、西武戦に7―2で逆転勝利し、32日ぶりに首位を奪還した。2点ビハインドの7回1死二、三塁でジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が左中間席へ14号3ラン。6回までノーヒットに抑え込まれた今井達也投手(21)を一気に攻略すると、8回にも左翼ポールを直撃する2打席連発の15号2ランをマークした。チームは両リーグトップとなる17度目の逆転劇で、盛岡のファンを喜ばせた。

 直球を狙い澄まして振り抜いた。打線は6回まで無安打無得点。チーム初安打となる浅村の中前打をきっかけに1死二、三塁として、ブラッシュが打席に入った。

 「あの場面は投手も四球が嫌だろうからね。直球が来ると思っていた。犠飛でも何でも、とにかく打点を挙げたかった」

 2ボール1ストライクからの4球目を左中間へ、逆転14号3ラン。5月だけで10本塁打と自慢のパワーを発揮すると、ベンチ前で「ワシポーズ」を初披露した。5日の対戦で打線は今井に3安打に封じられ、プロ初完封を許していた。ブラッシュも2打数無安打だったが「前回はやられたけど、その分データが取れた。何を狙えばいいか」とただでは転ばなかった。

 8回1死一塁では、4番手・伊藤から左翼ポール上部を直撃する15号2ラン。前夜は名物「わんこそば」ではなく、パスタを堪能したが、初めて訪れた盛岡のファンに豪快な2打席連続“おかわり弾”を披露し「盛岡での試合は年一度。みんなの声援のおかげでスタンドまで届いた」と上機嫌だった。

 岩手県営球場は、エンゼルスで同僚だった大谷と縁のある場所だ。花巻東3年夏の岩手大会準決勝で、当時の高校最速となる160キロをマークした。「そうなの?知らなかった。彼の思い出の球場で打てて勝てたことはうれしいね」と大谷のルーツを知って笑顔。帰りのバスに乗り込む直前には、球場入り口に飾られた日本ハム時代の大谷のサインの前で記念撮影もした。

 チームは両リーグトップとなる今季17度目の逆転勝ち。ブラッシュは7点差を大逆転した8日のソフトバンク戦、8点差をひっくり返した15日の日本ハム戦でも2発を放った。助っ人が打てば、何かが起こる。この日はソフトバンクが敗れ、4月26日以来となる単独首位に再浮上した。

 平石監督は「今井にはやられていたので、数少ないチャンスでよく仕留めてくれた」とブラッシュに最敬礼する。その一方で、順位について「どうでもいいです」と意に介さなかった。泥くさく目の前の勝利に執着する。「混パ」の主役に返り咲いたが、一喜一憂することなく、この先も戦い抜く。(重光 晋太郎)

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2019年5月29日のニュース