中日・高橋 不調乗り越え月間8度目猛打賞 神様、イチローに並ぶも「気にしているつもりない」

[ 2019年5月26日 22:26 ]

セ・リーグ   中日10―8ヤクルト ( 2019年5月26日    神宮 )

<ヤ・中>5回1死満塁、高橋が同点の2点適時打を放つ(撮影・村上 大輔)
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 竜の未来を担う男が球史に名を刻んだ。中日・高橋が3試合連続の3安打猛打賞。月間8度目の猛打賞で巨人・川上(51年9月)やオリックス・イチロー(96年8月)らに並び、プロ野球最多記録となった。

 2回1死の第1打席でフルカウントからの7球目、内角直球を「追い込まれながら、あそこに打てたのが良かった」と左翼線二塁打にした。

 4回は先頭で左翼席へ3号ソロ。4―6の5回1死満塁では中前に同点となる2点適時打を放ち「皆が回してくれたチャンス。結果が出ているのは良いこと」とうなずいた。

 今カードは13打数9安打と大暴れ。打率も・347まで一気に上昇しリーグ2位に登り詰めた。

 与田監督からキャプテンに指名された今季。「皆が驚いているけど、自分が一番驚いている」と重責を背負った。「引っ張ると言うより、見られている意識を持ってやりたい」と背中で示すキャプテン像を理想に掲げ、キャンプから猛練習に励んだ。

 開幕こそ順調にスタートを切ったものの4月下旬から打撃不振に陥り、ゴールデンウィーク中には一時、打率が・250を下回った。

 ただ、村上打撃コーチは「あれ(不振)があったから今がある」と力説する。「球を追いすぎたり、内角を引っ張らないととか色々考え過ぎていた。調子が落ちたから気づけた」とスランプを乗り越えたからこその好調と捉えている。

 高橋自身も「不調の時とはバッティングが違う。周りから見たら分からないかもしれないが、自分の中では全く違う」と打席の中で確かな手応えをつかんだ。

 打撃の神様・川上哲治氏や希代のヒットメーカー、イチローと同じ記録に並んだが「そこは気にしているつもりはない。嬉しいという気持ちもない」とサラリと言いのけた。

 5月は残り4試合。9度目の猛打賞でプロ野球記録の更新も見えてくるが「残り4試合がすべてじゃないので」と長いシーズンを見据えている。

 今季初の同一カード3連勝の要因は、間違いなく高橋の大暴れにある。左胸にある竜をかたどったキャプテンマークの「C」がより一層輝きを増してきた。

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