楽天・ウィーラー「野球生命に関わる」頭部死球も2安打2打点

[ 2019年5月2日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天9-0ソフトバンク ( 2019年5月1日    ヤフオクD )

2回無死一塁、頭部付近に死球を受けるウィーラー(投手・武田)(撮影・岡田 丈靖)
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 当てられっ放しで黙ってはいられない。楽天・ウィーラーは燃えていた。「恐怖なんてない。ネバー、ノー・フィアーだ」。3―0の3回2死三塁。恐れることなく左足をグッと踏み込み、川原の外角フォークを右前に運んだ。前打席での頭部死球の影響など感じさせない鋭いスイング。ディズニー映画「トイストーリー」のキャラクター「ミスター・ポテトヘッド」に似た愛らしい風貌ながら、戦う魂は誰よりも熱い。

 2回無死一塁。武田の147キロ直球がウィーラーの顔面をかすめ、ヘルメットのつばを直撃した。「野球生命に関わるような危ないボールだった」。割れた破片が飛び散る。倒れ込む助っ人。「令和初」の危険球退場に三塁側ベンチからは楽天ナインが飛び出し、乱闘にもなりかねない不穏なムードが流れた。

 「好き放題にはやらせないぞ、と。それでみんなが出てきたんだと思う」と平石監督。仲間の熱い姿に、ウィーラー本人も「戦う以上、ああいう姿勢を見せないと。あれがチームの絆、信頼の強さだ。うれしかった」と感激した。ベンチ裏でトレーナーから脳振とうの簡易検査を受けたが、「大丈夫。出る」と志願。3回に続いて7回にも適時打を放って2安打2打点だ。

 2回のウィーラーの死球直後には、その勇ましい姿に燃えたブラッシュが打った。1死一、二塁で「集中していた」と先制の右中間適時二塁打。こちらも2安打2打点で今季最多タイの14安打で9点を奪った打線をWBコンビでけん引した。

 令和初日の白星で連敗は5でストップ。直接対決に先勝して首位・ソフトバンクとのゲーム差を0・5に詰めた。「テレビを見ていて、5月1日に何かが変わったのは分かっていた。そういう日に勝てて良かった」とウィーラー。試合後は、普段と変わらぬ柔和な笑顔に戻っていた。(鈴木 勝巳)

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2019年5月2日のニュース