【東兵庫】報徳・小園に日米13球団32人集結 特大37号V弾

[ 2018年7月23日 09:00 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会東兵庫大会4回戦   報徳学園4―2滝川二 ( 2018年7月22日    姫路 )

<滝川二・報徳学園>7回、1死一塁、報徳学園・小園(右)が中越えに決勝2点本塁打を放つ(撮影・成瀬 徹) 
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は22日、42大会で141試合が行われた。東兵庫大会では、報徳学園の今秋ドラフト1位候補・小園海斗内野手(3年)が日米13球団32人のスカウトの前で高校通算37号の決勝弾を放った。香川大会では、丸亀城西が13年ぶり5度目の出場を果たすなど、新たに10代表が決定。23日は宮崎大会など4大会で決勝がある。

 思いを込めた打球は風にも乗ってグングン伸びた。1―1の7回1死一塁。報徳学園の小園は直球を仕留めた。バックスクリーンへ飛び込む特大の一発。春の県大会2回戦で惜敗した滝川二をフルスイングで沈めた。直前の無死一塁で大崎がスリーバントを失敗。重い空気を完璧に振り払った高校通算37号に笑顔が広がった。

 「流れを変えたい気持ちが伝わったんだと思います。センター方向への打球は初めてなので驚きました」

 両翼100メートル、中堅120メートルの姫路球場。県高野連関係者は「高校生でバックスクリーンへ飛ばした選手は見たことがありません」と目を丸くした。2打席凡退で迎えた5回は右前へはじき返すと、迷わず二塁へ頭から滑り込んだ。並みの選手なら単打で終わるが、好判断と脚力で二塁打にした。9回は死球で出塁し、すかさず二盗。村田の中前打で4点目のホームを踏んだ。

 グラブにも帽子のツバの裏にも刻む言葉が『日本一のショート』だ。昨年は2年生ながらU18日本代表の正遊撃手として早実・清宮(現日本ハム)らとともに戦った。世界の舞台を踏んだことで、精神面の変化を感じ取ったのは大角健二監督だった。「ちゃらんぽらんだったけど、凡退してもイライラしないし、集中力を切らさない」とうなった。

 この一戦に賭けていた。対戦が決まってから練習開始の午前9時より1時間早く学校へ行き、心とコンディションを整えた。「逆方向、センターへ打つ練習をしてきましたから」。泥だらけのユニホームは勲章の証しだ。春の雪辱を果たし、いざ8年ぶりの聖地へ――。視界は一気に開けてきた。(吉仲 博幸)

 《日米13球団》日米13球団32人のスカウトや編成担当者が視察した。阪神の和田豊テクニカルアドバイザーは「柔らかさに力強さも加わった。体も大きくなったし、スピードもあるね」と評価。担当の熊野輝光スカウトは「高校生ではモノが違うし、遊撃手ならNo・1だと思う。ここぞの場面で打てるのはスター性がある証拠だし、何かを持っている。甲子園でも暴れてほしい」と絶賛した。オリックスの長村裕之球団本部長は「守備、肩、脚力、打撃。走攻守でバランスが取れた好選手。素材として素晴らしい」と熱視線を送った。

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2018年7月23日のニュース