データで見るソフトBの強さ 圧倒的「先制した試合の勝率」パ歴代1位射程圏

[ 2017年9月17日 11:20 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7―3西武 ( 2017年9月16日    メットライフドーム )

<西・ソ>優勝を飾り、バンザイするサファテ
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 ソフトバンクが2年ぶりのリーグ優勝を果たした。9月1日にマジック点灯後は一度も足踏みすることなくゴールに飛び込んだ。柳田、デスパイネらの強力打線、守護神サファテを軸にした投手陣のデータを基に今季の強さを探った。 (記録課・八田 朝尊)

 ☆3年で2度目 工藤監督の成績は15年の就任から優勝→2位→優勝。監督1年目から3シーズンで2度リーグ制覇したのは秋山監督(ソ)以来11人目。投手出身では藤田監督(巨)以来2人目で、パ・リーグでは初めてとなった。就任から3年連続で80勝以上マークしたのは工藤監督が初めてだ。今季の白星は16日現在で89勝。シーズン最多勝利数は55年南海の99勝。残り13試合で11勝すれば100勝に届き、工藤監督は史上初の勲章も手にすることになる。

 ☆効果的な本塁打 チーム本塁打も03年以来14年ぶりに150本に到達。昨年は114本でリーグ3位だったが、現在33本塁打のデスパイネの加入が大きい。今季本塁打が出た試合は92試合で70勝22敗。2本以上出ると36勝3敗、勝率は.923まではね上がる。ちなみに本塁打で先制した試合は27試合で26勝1敗、勝率.963と驚異的だ。

 ☆先手必勝 本塁打だけでなく先制した試合の勝率も素晴らしい。ここまで79試合で71勝8敗。勝率.899は78年阪急の.902に次ぐリーグ2位の数字。今後の試合次第では阪急超えも十分可能だ。初回に得点を挙げたのは46試合、86得点と合わせてリーグトップだ。勝利打点も柳田が13試合、デスパイネが6試合で初回に記録しており、強力な中軸が立ち上がりから試合の流れを引き寄せている。

 ☆空前絶後の守護神 サファテがプロ野球史上初めてとなる年間50セーブ超え。リーグタイ記録となる17試合連続セーブもマークした。今季63試合のうち、セーブ機会での登板は52試合。失敗はイニングの途中からマウンドに上がった8月5日の西武戦のみで成功率は驚異の98%。2敗は同点の場面で登板した時のもので、相手チームに逆転を許したことは一度もない。

 ☆先発&救援も安定 今季89勝のうち先発投手の勝利が66勝。東浜の16勝を筆頭に10勝投手が3人おり、先発陣の勝率も.667と安定している。中継ぎ陣も岩崎、森が30ホールド以上をマーク、黒星は抑えのサファテを除くとわずか6試合。逆転負けも12試合しかない。ただ、救援陣が安定しているためかチーム完投数はここまで4試合。このまま優勝チームが完投5試合以下でシーズンを終えるとパでは史上初になる。

 ☆ラストスパートで独走 2位・西武とは現在14.5ゲーム差。このまま10ゲーム差以上を維持すれば15年の12ゲーム差以来の独走Vになる。パの最大ゲーム差Vは51年南海が西鉄につけた18.5差。さらに差を広げて歴史的な優勝となるか。

 ▽福岡ソフトバンクホークス 1938年に南海電鉄を経営母体に創設。44年に近畿日本、46年に近畿グレートリングと改称し、47年から南海ホークス。1リーグ時代に2度優勝し、73年までに10度のパ・リーグ制覇(日本一2度)。その後は低迷が続き、88年秋にダイエーが買収し本拠地を大阪から福岡に移した。93年に福岡ドーム(現ヤフオクドーム)が完成。95年から王貞治監督が指揮し、99年にダイエーで初優勝、日本一にも輝いた。2000年にリーグ連覇。03年は再び日本一になった。

 球団買収により05年からはソフトバンクとして参戦。王監督は08年限りで退任し、秋山幸二監督が就任し10年からリーグ2連覇し、11年は日本一。14年にリーグ制覇、日本一となり、オフに秋山監督が退任。15年は工藤公康監督が就任1年目で日本一、17年もリーグ優勝を飾った。球団オーナーは孫正義氏。

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2017年9月17日のニュース