【吉村禎章氏が解説】木でも飛ばせる清宮の技術 体とバット一体化する柔らかさ

[ 2017年8月26日 09:30 ]

練習試合   高校日本代表17―4千葉工大 ( 2017年8月25日    千葉工大 )

<千葉工大・高校日本代表>5回無死一塁、木製バットで侍1号となる高校通算108号を放つ清宮
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 スポニチ本紙評論家の吉村禎章氏(54)が、高校最多の108本塁打をマークした清宮の打撃を解説。バットが金属から木製に変わっても、打球を飛ばせる技術に着目した。

 バットとボールが「ケンカ」をしないように。これが金属と木で打つ際の違いだ。金属なら多少は芯を外れても、力で距離を出せる。木の場合はただ単に力だけで衝突させても打球は飛ばない。いかに「体」「腕」「バット」を一体化させるか。そうすることでヘッドが走り、力がきっちりと伝わる。清宮は金属の時からこの打ち方ができていた。

 木のバットはしなるもの。清宮の打撃は下半身から始動し、腕が出て、最後にバットがついてくる。体の軸を中心とした柔らかさがある。手の延長線上にあるバットが一体となって体に巻き付いてしなり、彼本来のパワーをボールに伝えているイメージだ。ボールにバットをぶつけるのではなく、乗せる。年々、彼はこの柔らかい打撃を身に付けてきた。

 金属と木ではインパクトの感触がまるで違う。私自身もプロ入りした際、いかに体とバットを一体化させるかに腐心した。最も差が出るのは内角球。腕を畳んで、体に巻き付ける意識がより必要になる。この日は高めに浮いた変化球を捉えた一発だったが、ワールドカップでは、150キロ前後の速球を投げる投手もいるだろう。内角の速球にどう対応するかを楽しみにしたい。

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