2年前代表で0発…清宮「相当後悔した」木製バット軽量化ズバリの108号

[ 2017年8月26日 06:30 ]

練習試合   高校日本代表17―4千葉工大 ( 2017年8月25日    千葉工大 )

<千葉工大・高校日本代表>5回無死一塁、木製バットで侍1号となる高校通算108号を放つ清宮
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 「第28回WBSC U―18ワールドカップ」(9月1日開幕・カナダ)に出場する侍ジャパン高校日本代表は25日、千葉県内で千葉工大と初の練習試合を行い、主将の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が5回に右翼場外へ2ランを放った。高校通算108号で、最多記録とされる神港学園・山本大貴の持つ107本を更新。「侍1号」で世界一を目指す本大会へ弾みをつけた。

 打った瞬間、アーチを確信した清宮はバットを投げ低い弾道を目で追った。右翼まで100メートルを越え、10メートルの防球ネットを越え、打球は場外に弾んだ。7月28日の西東京大会準決勝・八王子学園八王子戦で107号を放ってから1カ月、推定130メートル弾で高校通算最多本塁打記録を塗り替えた。

 「タイにこだわりはなく、やるからには抜きたいと思っていた。プレッシャーになる前に打てて良かった」

 「4番・一塁」での一発は木製バット1号、さらに侍ジャパン1号のメモリアルアーチとなった。1年生で唯一代表入りした2年前。ノーアーチで準優勝に終わった。「あの時は金属と同じ910グラムで打っていた。代表が終わって早実に帰ったら、素振りしているバットくらいの重さ。重すぎたなと。相当後悔した」。反省を生かし、西東京大会決勝敗退後は早実の練習に参加。さまざまなバットを試し、約860グラムの軽量バットを宝刀に選んだ。

 代表合宿4日目。侍の日々は新鮮だ。小枝守監督からは「バットを立てて振り抜け」と助言を受けた。「あまり打撃フォームでいろいろ言われたことがないんで、新鮮ですね」。第1打席は見逃し三振を喫したが「相手の投手に合わせるんじゃなく、自分のタイミングで」と修正し、第2打席で狙っていたスライダーを振り抜いた。

 早実で積んだ107本は「早実で打つと、ああまたかって感じだった」と話すが、代表ではチームメートが本塁打見たさに毎日「打てよ」と言われる。それも新たな刺激となり「みんなが喜んでくれた」と笑顔。世界一を目指すワールドカップへ「木製でも変わらず飛距離が出ることが分かった。自信にもつながった。これからも臆せず振っていきたい」と自信も深めた。

 26日から甲子園準優勝で大会歴代最多の6本塁打を放った広陵・中村、優勝した花咲徳栄の150キロ右腕・清水が加わる。

 「2人がすぐなじんで、良いプレーをしてもらえるように環境づくりをしていきたい」

 主将として、主砲として。記録更新は世界一奪取への通過点だ。(松井 いつき)

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