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イスラエル、次回WBCではさらに手強く?侍ジャパンと共通する「緻密な野球」

<日本・イスラエル>ベンチから戦況をみつめるウェインスタイン監督
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 今回のWBCでイスラエルの健闘は、米国でも大きく報道された。メジャー通算124勝のマーキー、メジャー通算81本塁打のデービスら実績ある選手も数人いたが、それは過去の話で、ほとんどはマイナーリーグ所属だ。それでも1次ラウンドは3戦全勝で1位突破。2次ラウンドの日本戦も中盤まで接戦を演じた。快進撃の理由は、捕手のラバンウエーが語った「日本はまとまっているが、私たちも日本のようなチーム」との言葉に隠されているように思う。

 それは、世界中に離散し、迫害された歴史的背景や民族性から来る結束力の強さ。代表チームはユダヤ系米国人で構成されているが、WBC本大会出場が決まると、10数人がイスラエルを訪問。祖国の土を初めて踏み、愛国心を高めた。1次ラウンドが行われた韓国では、全員でカラオケバーに行き、一致団結。伝統的なユダヤ人の格好をしたおじさん人形「メンシュ」をシンボルとしてベンチに持ち込み、日本へ移動する際には飛行機の席まで用意した。

 ユダヤ系米国人で、メジャーで活躍した打者と言えば、メジャー通算328本塁打のショーン・グリーンが真っ先に頭に浮かぶ。ドジャース時代(00〜04年)は野茂英雄、石井一久の同僚。当時よく取材したが、非常に紳士的で、まじめな選手だった。しかし、04年のシーズン終盤にこんな「事件」があった。チームは残り9試合で2位・ジャイアンツに2・5ゲーム差をつけて首位に立っていたが、大事な天王山をグリーンは欠場した。

 その日はユダヤ教の祭日「ヨム・キプル」(贖=しょく=罪の日)で、人々は祈りをささげるなどして静かに過ごす1年で最も神聖な日。グリーンは周囲の批判の声にも「私は信念に基づき行動する」と説明し、球場に姿を見せなかった。1965年にはドジャースの伝説的左腕サンディ・コーファクスも「ヨム・キプル」と重なったワールドシリーズ第1戦を欠場したことがある。今回のイスラエルチームの愛国心の強さを見て、そんなことを思い出した。同じ「結束力」と言っても、中南米チームのラテン系のノリのチームワークとは明らかに違うように見えた。

 勤勉な民族性は、日本人とも共通する部分で、それは緻密な野球スタイルにも現れる。だから、短期決戦は強い。今回はブルワーズの強打者ブラウン、ドジャースで昨季25本塁打のピダーソンらの参加は実現しなかったが、今大会の躍進を受け、次回大会はさらに強力なメンバーで臨んでくるのではないか。もし、同じように極東ラウンドに入るようなら、日本には今回以上に手強い相手になりそうだ。(記者コラム・甘利 陽一)

[ 2017年3月18日 13:13 ]

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