侍には菅野がいる!エースが投壊止めた「覚悟決めて戦うだけ」

[ 2017年3月2日 07:17 ]

侍ジャパン壮行試合第2戦   日本9―1台湾プロ選抜 ( 2017年3月1日    ヤフオクドーム )

<台湾プロ選抜・日本>3回2死一塁、林智平を三ゴロに抑えた菅野は声を出す
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 試合後、侍ジャパン・菅野はベンチ前で小久保監督から歩み寄られた。実戦初勝利に導き、ねぎらわれたエースは右手でがっちりと握手を交わした。

 「しっかり試合をつくるようにテンポを心掛けた。小林がうまく引き出してくれた」。前日、投手陣は17安打を浴びて8失点と投壊。本番前の最後の調整登板だったが「好き勝手やられた」と血が騒いだ。象徴したのが、内角攻めだ。初回1死一塁。台湾で昨季200安打し、歴代最高打率・414を記録した左打者・王柏融(ワンボーロン)の内角にカットボール。さらに内角へのスライダーで二飛に仕留めた。前日、則本がバックスクリーンへの逆転2ランを浴びたのを見届け「インサイドに突っ込んだら楽になる」と分析。2球で料理すると、右打者の4番・彭政閔(ポンジョンミン)にも「踏み込んでくるので内の甘いところは絶対に打てない」とワンシームで2打数無安打に抑えた。

 4回4安打無失点。初回は15球、2回は11球で終わらせた。1次ラウンドの球数制限は65球。1イニングの目標球数を「15球」に設定し、3回は14球、4回だけ18球を要したがほぼクリアした。4回で58球を投げ、無四球。「欲を言えば、あと4、5球減らせれば5回を投げきれる」と言った。

 危機的状況だった投手陣の雰囲気を変えた。宮崎での強化合宿中には同僚を和ませたこともあった。権藤投手コーチがバスに遅れて来ると、菅野は「遅刻ですよ」。権藤コーチが「すまん。罰金か」と謝ると、投手陣は笑いに包まれた。「罰金の代わりに、投手会を開こう」という同コーチの提案に、エースは「予約しときます」。雰囲気は良くなり、一体感も強まった。

 新球チェンジアップも1球投じ、最速は151キロを計測した。8日のオーストラリアとの1次ラウンド第2戦へ。エースは「覚悟を決めて戦うだけ。必ず世界一になるように、一丸となってやっていく」と力強く言った。 (神田 佑)

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2017年3月2日のニュース